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知の新書 104
『古事記と国つ神論』 日本国の初まりと場所神話
山本哲士 著 3,500円+税 哲学
ISBN978-4-910131-33-7 C1210 新書判 832頁 2022/6刊  
天つ神神話の幻想生成と国つ神の存在から、既存の天皇制批判の限界を転換。単行本売り切れの好評書の新書化。
古事記の神話は日本書紀とは全く異なる。日本には、異なる二つの設計原理がある。国家の初まりとなる神話構成を幻想理論から明証に解読する。 古事記研究者たちの限界を超えた画期的な読み。古事記には、兎・蛇・蜂などと虫獣化されたたくさんの国つ神たちが場所ごとに登場する神話であるが、 日本設計の幻想原理となって実際作用している。小国であった高天原を天へ配置し、海照神を天照大神に転じて坐らせ、 スサノヲは天地の間を失敗しながら行き来させ、天孫系の敗北を「天孫降臨」と仰々しく構成する。 見事な神話創成を成している。天つ神は元々は国つ神たちであった。
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知の新書 G02
『自然保護と平和構築』 「地球」を世界遺産にする
田中俊徳 著 1,300円+税 社会
ISBN978-4-910131-32-0 C0230 新書判 192頁 2022/5刊  
戦争は、自然保護の立場からすれば、最大の敵である。自然災害とは異なり、 戦争は人類が引き起こす悲劇であり、平和の鍵を握るのもまた人類である。「自然保護」を梃子として、 領土問題を解決した人類史上初めての事例を紹介した上で、SDGsを超える概念として「地球を世界遺産にする」ことを提唱する。 戦争、疫病、気候変動、生物の大量絶滅・・・すでに危機に瀕している地球を守るため、「地球条約」を創ることができるのか。
本書を、ロシア軍の暴挙に苦しむウクライナの人々、戦争被害者、平和を希求するすべての人々に捧げる。
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知の新書 012
『スポーツ観戦空間論』
 スタジアム/アリーナ歓びの場所の過去・現在・未来
橋本純一 著 1,300円+税 スポーツ
ISBN978-4-910131-31-3 C1275 新書判 192頁(うち 32 頁カラー) 2022/4刊  
ピラミッドや聖堂にかわる、スポーツ競技場の 圧倒的な建築物と環境世界! そこで、観客はプロ選手たちのプレイに歓び感動する。スタジアムの歴史変遷を考察した、日本で初めての書。 観戦空間における自然、システム、富、イデオロギー、物語性、場所、美、など、聖地としてのホーム・スタジオ、 ホスピタ リティ・アレンジなど、モダン、ポストモダンから未来のスポーツ空間を探る。 実際に世界の競技場を視察した、カラー資料の写真、多数! 観る歓びの場所、その問題も考える!
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知の新書 A02
『ミハイル・ブルガーコフ作品集』 権力への諧謔
宮澤淳一・大森雅子・杉谷倫枝 訳 1,800円+税 文芸
思想
ISBN978-4-910131-30-6 C1297 新書判 256頁 2022/4刊  
ウクライナ支援緊急出版!ウクライナの大作家ブルガーコフを読んでウクライナを理解し、ウクライナを支援しよう! 本書の売り上げは、ウクライナ支援・難民支のために大使館へ寄付されます。書店の皆様も協力してください。
スターリン圧政下で、専制権力世界を風刺し、固有の文学表出をなした、ドストエフスキーをしのぐ大作家。それは、まさに、今の、ウクライナ&ロシア世界を描いている。 革命後のソヴィエト社会に対する諷刺性ゆえに、作品発表の機会に恵まれなかったが、死後再評価が進む中で、20 世紀ロシア文学を代表する作家の 1 人に数えられるようになった。
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知の新書 011
『日本文化を奏でる竹笛』 篠笛・真笛の日本の音
蘭照/山口幹文/
狩野嘉宏/秀勝
1,300円+税 音楽
ISBN978-4-910131-28-3 C1273 新書判 192頁 2022/3刊  
素朴な竹から作られる笛。 そこに、日本の文化技術の最高度の技術がこめられる。 非分離・述語制・場所・非自己の日本文化原理が奏でる 日本の音が織りなす色、音色。 日本の老練の名笛師、蘭照。若手の逸才笛師、秀勝。その笛を奏でる、日本至高の達人・名人の奏者、佐渡の山口幹文。栃木の狩野嘉宏。 が語る、日本文化の真髄。竹の横笛を語らずして、日本文化は捉えられない! 篠笛、真笛(まこぶえ)の美しい日本の音世界!
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知の新書 B12
『新しい資本主義と企業/暮らしのイノベーション』 資本経済と市場/知の転換
山本哲士 著 1,300円+税 経済
思想
ISBN978-4-910131-27-6 C1234 新書判 208頁 2022/2刊  
企業と協働ワークしてきた経験を、世界最先端の理論へ配置!
企業のイノベーションは、暮らしをイノベーションする。だが、企業は、商品、市場、組織、労働を人々の場所 環境から切り離して、 消費者への商品・サービスの「社会市場」へ抽象化している。かかる商品経済は、もはや給与をあげることも市場を拡延することもできない。 停滞する日本経済企業は六〇年代の組織マネジメントのままにあり、九〇年代のマネジメント論の限界さえ認識できていない。 「知的資本」が旧態のままとまっている。ドラッカーを世界思想・理論の中に再配置し、経済のあり方を新たに示す。
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知の新書 A01
 吉本隆明 『心的現象論・本論』
吉本隆明 著 3,600円+税 哲学
思想
ISBN978-4-910131-26-9 C1210 新書判 784頁 2022/1刊  
世界最高峰の思想思索の結実! ヘーゲル「精神現象学」を超える思想言説! 思想は、感覚の世界だ、感覚の観念作用は意識・認識・行為の根源だ! 人間の生きてあることを問う、迫真の考察!
感覚は、物への空間的な関係づけをさらに時間的に了解作用させ、自らの観念作用や実際行為をなす。マルクス自然哲学に立脚し、 精神分析・心理学の異常さから人間本質を考察、原初の人類学的考察、文学表出、古代歌謡、などフロイトやレヴィ=ストロースなど貫く、 世界思想総体の総括! この書から、新たな世界の設計が始まる! 西欧近代の普遍に代わる日本からの本格的な普遍思想!
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知の新書 010
『現代日本文学の考古学(アルケオロジー) 言語空間の読み方
山ア正純 著 1,300円+税 文学
評論
ISBN978-4-910131-25-2 C1295 新書判 192頁 2022/1刊  
現代文学の主題の核心には、その時代の思想的臨界点が必ず映し出される。 臨界を超え、時代の基軸が揺らぐとき、文学は更新されていく。文学のアルケオロジーは、現代文学の深層にある断絶と連続を探ろうとする試みである。
 第一章 漱石の水脈 記憶と忘却の文学論  第五章 津島佑子『半減期を祝って』 記憶のアルケオロジー
 第二章 堀田善衛の詩文 戦中と戦後の間  第六章 柳美里『JR上野駅公園口』 天皇・ホームレス・浄土真宗
 第三章 原民喜「夏の花」 灰白色の文学  column 現代日本文学の世界性
 第四章 村上春樹「レキシントンの幽霊」甦りの挫折
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知の新書 G01
『大震災・原発事故からの復活』 「楢葉郷農家の10年」の場所
琴寄政人 著 1,300円+税 社会
震災
ISBN978-4-910131-23-8 C0236 新書判 192頁 2021/12刊  
green シリーズ 発刊、場所、環境を探る。
「生きていてよかった。」それは、場所が生み出すもの。そこで人は苦難に立ち向かい暮らし、笑顔をとりもどす。 涙しながら牛をおいて避難せざるを得なかった農家の思い。「私の家族は137人、お父さんとお母さんとじいじとばあばとじいちゃんとばあちゃんと 130頭の牛たちです。」場所の民の生存において原発は必要ない。エネルギーだけを切り離して、郷の生存を無視するところには環境さえない。 大震災、原発事故、その苦難を超えて復活する人々の生き方の十年。
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知の新書 009
『007ジェームズ・ボンド論 PART1』
 ダニエル・クレイグ映画の精神分析と経済と哲学
山本てつし 著 1,300円+税 哲学
映画
ISBN978-4-910131-22-1 C1210 新書判 192頁 2021/11刊  
めくるめく007/ボンド世界。多彩で異様な悪漢、美しいボンド・ガール。だが、性差別、 人種差別(悪は黄色人種だった)、対外強行主義、外国嫌い、などと批判されたボンド映画。こうした批判を超えるべく、 クレイグ・ボンドは超人間的スパイから、実存的闇を内に抱える人間臭い、本気で女性を愛したボンドになって、 さらに傷だらけになって派手派手しいアクションを展開。精緻な映画表象を分析し、その心的世界を明示する本格的なボンド論の登場!
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知の新書 B11
『ホスピタリティ・オペレーション』
 - 顧客の顔を聴く関係技術の手法 -
村瀬永育 著
(むらせ えいすけ)
1,300円+税 経営
ISBN978-4-910131-21-4 C1234 新書判 192頁 2021/10刊  
非分離、述語制、場所、そして非自己から、ホスピ タリティを実際に使えるオペレーションを明示する。 もし、「ヒアリング」なるものを「自分たちが必要な情報の 収集」と思っていたり、「マネジメント」なるものを指示・ 命令が中心と思っているならば、 それによって今起きている 組織オペレーションの不具合を抽出し、本書のオペレーショ ンとそれがもたらすものとを比較類推したなら、 今磨くべ きヒアリングスキルとは何か?組織状態を変容させるときに必要なオペレーションとは何か?が明確に見えてくる。 あらゆる業態に、店舗に役立つ明晰にして詳細な手法! @情報とは、お客の役に立ち、お客との関係性がポジティブになるために利用するもの。 A伝えたい側に目的があるのが情報であって、相手の目的を無視しないこと。 Bヒアリングとは、相手が「話したいと思って話していること」を聴くこと。 C本当に必要な情報は、こちらの聞きたいことではなく、相手の事情・都合にある。 Dマナーとは、相手への配慮であって、ルール化された感情のないマナーは根付かない。 Eマネジメントは、自分がマネジメントしていると思ったことにマネジメントされている。 Fオペレーションは、見えている決めごとではなく、作用しているもので機能される。
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知の新書 008
『歯は人生を左右する』 - 歯科医療の誤りを正す -
坂井秀夫 著 1,300円+税 歯学
ISBN978-4-910131-19-1 C1247 新書判 192頁 2021/9刊  
インプラントの名医がわかりやすく語る、あなたの大事な歯についての、知の本! 歯が痛くなったら歯医者へ。それは手遅れ。 歯を削ったり神経をとったり、入れ歯やブリッジなど、歯医者にいくほど、歯が悪くなり、 歯が抜けたな らもう取り返しはつかない。歯を失うことはすべての病気の入り口です。 虫歯や歯周病などの病状・治療や、入れ歯、ブリッジの治療法など、歯科治療の問題点を提起し、歯科治療経験から、既存の常識を問い返す。 歯に加え、そして「酸素」が人の元気のすべての要。
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知の新書 103
『ミシェル・フーコーの統治性と国家論』 - 生政治 / 権力 / 真理と自己技術 -
山本哲士 著 2,700円+税 哲学
思想
ISBN978-4-910131-18-4 C1210 新書判 624頁 2021/8刊  
国家は巨大な怪物ではない。 国家憎悪また国家愛は国家を過大評価している。 国家に実体はない。 国家は叡智性の図式である。権力関係論から統治制論への飛躍をもって、安全・人口の「国家配備」論理から「国家の統治制化」 をめぐるフーコー講義を丁寧に読み解く。既存のマルクス主義的国家論を転換。コロナ禍で、迷走する世界は、その統治性のなさを露出している。 何をいったいなしているのか、統治性が不在の社会主義国や統治性が貧相な資本主義国家を根源から見直す書。 「生きること」への統治は、人口の統治制化と身体の規律化においてなされる「生政治」であり、社会を自然性化し、 ホモ・エコノミクスを統治性と個人を結びつけるべく政治経済学=真理を創出し、「人間の振る舞い」を統治してきた。 国家権力による支配・抑圧という粗野な国家論を転じる、画期的な書。
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知の新書 B01
『コンビビアルなマネジメント』 しなやかな組織、コミュニティの創りかた
土屋慶一郎 著 1,300円+税 経営
ISBN978-4-910131-17-7 C1234 新書判 192頁 2021/8刊  
近代以降の行き過ぎた個人主義により、コミュニティ/場所に属する個人を失った、 個人の集合化が進みました。個人は分断され、その分断を活用し、これまで世界は成長してきましたが、それは既に破綻し、 新たな価値観に基づく社会の実体化が図られようと しています。それがコンビビアルな社会です。この社会を創るには、 個人だけでなく、多くの組織や場所がコンビビアルになる必要があります。 本書は、このコンビビアルな組織やコミュニティの創りかた、そしてそれを創る際に留意すべき点を記します。
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知の新書 007
『場所のこころとことば』 デザイン資本の精神
河北秀也 著 1,300円+税 芸術
ISBN978-4-910131-16-0 C1270 新書判 192頁 2021/7刊  
デザインは色や形ではない、アーキテクチャーである。 アート・ディレクターとしてデザイン界をリードしてきた著者が三五年にわたって感じ考え述べてきた、〈場所〉として、 軽やかに表現した珠玉のエスプリあるエッセイ。世界と人と物事を見つめる 温かいまなざしと 鋭い叡智!約100のテーマについて・・・・
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知の新書 102
『学校・医療・交通の神話 < 定本 >』 現代産業社会批判―コンビビアルな世界へ
山本哲士 著 1,900円+税 哲学
思想
ISBN978-4-910131-15-3 C1210 新書判 384頁 2021/6刊  
イバン・イリイチに直接学んだ著者が、その思想を明証に説きながら、日本の現在社会の根源を描き出す。 医療専門家たちが、自分たちの利権を拡大すべく、一部の医療従事者たちの格闘をよそに、不安感をまき散らし、医療化世界が、 政治・経済をふりまわす。現代の根源を暴き出した画期的な書。 コロナ禍で起きていること!それは産業社会秩序の崩壊。学校・大学へいくことができない。病院から病気が発生し、 しかも患者を受け入れない。交通機関がガラガラ。何が根源で起きているのか、自分の力をとりもどす自覚へ!
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知の新書 006
『道徳判断のしかた』 告発/正義/愛/苦しみと資本主義の精神
リュック・ボルタンスキー著 1,300円+税 社会科学
ISBN978-4-910131-14-6 C0230 新書判 192頁 2021/6刊  
企業不正を告発する、何の計算もなく愛を表明する、不公平なことに正義を主張する、 テレビの画面に流れる世界の悲惨に苦しむ、などなど。批判や共感を働かす。私たちは道徳判断を批判判断をもって日々なしている。 そこに働く正当化のよりどころになっている規範型を、ボルタンスキーは政治思想と実際の歴史的な現れから六つのモデルで示し、 さらに資本主義の動態的な精神として七つ明示した。言い争い・衝突・論争において正当化を働かせて社会行為をいとなむ私たちは、 力関係や利害関係だけで生きているのではない。支配だ搾取だと、暴力のメタ批判の粗野な社会科学思考に対して、出来事の事実のなかで、 繊細に物事を同等性と序列の作用で、自分を正当化している通常人の能力を浮きだたせる、世界第一線の考察を、自分のものに・・・。
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知の新書 005
『ジャック・デリダとの交歓』 パリの思索
浅利誠 著 1,300円+税 哲学
ISBN978-4-910131-12-2 C1210 新書判 192頁 2021/5刊  
デリダとの17年間の交通! 一九八六年からデリダのセミナーに出続け、直接にデリダと対話した著者のパリからの交歓録、その哲学言述。 デリダをブルトンとベンヤミンから照らし出しつつ、ハイデガー問題など、パリで蠢く様々な論者たちの模様を描きながら、 デリダの横断的・越境的思考を領有する著者の格闘の奇跡が、デリダ思考そのものと並 走するダイナミックな交通史。 普遍的に思考するデリダのスタイルに啓発され刺激を受け続けながら、同時にデリダの限界をも感知しながら、新たな思考の地平を、 フランス語と日本語との間で開いていく著者の原点は、現代思想の根元を見直すものとして作用している。
序 / 出会いから最初の発表まで / ハイデガー問題 / 動じないこと機械のごときデリダが揺れるとき / ベンヤミン / 「転回」時におけるベンヤミンへの破格の思い入れ / デリダのセミネール 1984〜2003
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知の新書 004
吉本隆明が語った 『超資本主義の現在』 その本質への思想
吉本隆明+α 著 1,300円+税 社会科学
ISBN978-4-910131-11-5 C0230 新書判 192頁 2021/4刊  
吉本隆明が語る情況には、本質課題が埋もれている!未収録インタビュー拾遺。 家族が壊れていく、対幻想が変貌し、ワークや親子関係、男女関係、 老人の位置も変容していく。変わらぬ政治の愚行、 経済地盤・事象の変化、歴史観の歪みや変節、のなかに政治・経済・社会の本質を 照らし出すものがある。 日本の特殊性のなかに普遍を探り、未解の課題を浮き立たせる、情況論からの本質示唆。「今だから」こそ見えてくるものがある。
超資本主義の現在における労働関係・親子関係の変容 フリーター、パラサイト・シングル、家族*コメント「国家と社会」* / 日本の特殊性の中に普遍を探る 日本の歴史ブームをめぐって*コメント「国家と歴史と場所」* / 世界金融の現場に訊く *コメント「経済の本性・本質へ」* / 「政治にカネはつきもの」ゆえに演じられる猿芝居 *コメント「思想態度、精神と情況変化」* / 家族・老人・男女・同性愛をめぐって *コメント「生存と男女」*(思想発言を理論化する「学ぶコメント」ガイドつき。)
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知の新書 101
 『哲学する日本』 非分離・述語制・場所・非自己
山本哲士 著 2,200円+税 哲学
ISBN978-4-910131-09-2 C1210 新書判 544頁 2021/2刊  
西欧近代哲学の地盤を覆す! 日本語の論理と日本技術に 新たな哲学原理を見出す。
同時発売新書3冊の哲学基盤を開示する。近代西欧の「主客分離/主語制/社会/自己」 の原理に代わって、日本の文化資本蓄積から 「主客非分離/述語制/場所/非自己」の普遍原理を開示!世界の指針となる哲学地盤変えの画期的な書。
  1章 非分離の哲学      3章 場所の哲学
  2章 述語制の哲学      4章 非自己の哲学
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知の新書 003
 『気候危機とコロナ禍』 緑の復興から脱炭素社会へ
松下和夫 著 1,300円+税 社会科学
ISBN978-4-910131-07-8 C1230 新書判 208頁 2021/2刊  
21世紀の環境指針となる新環境政策への思索!
新型コロナウイルス感染症と気候危機は人類の生存に関わる問題であり、コロナ禍から脱炭素で持続可能な社会への速やかな移行を進めることが 日本と世界が目指すべき方向だ。コロナ禍不況からの脱却を意図する経済復興策は、同時に脱炭素社会への移行と転換、 そしてSDGsの実現に寄与する「緑の復興」でなくてはならない。首相は国会で、「二〇五〇年までにカーボンニュー トラル (脱炭素社会)実現」を宣言した。緑の復興から脱炭素社会への移行を目指す取り組みは待ったなしだ。 本書は移行のための新環境政策論を国際的動向の分析も踏まえ詳細に論じた。 あわせて日 本や世界各地への環境と文明を巡る思索と交流の旅をつづる。
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知の新書 002
 『科学資本のパラダイムシフト』 パンデミック後の世界
矢野雅文 著 1,300円+税 自然科学
ISBN978-4-910131-06-1 C1240 新書判 192頁 2021/2刊  
近代二元論の「客観的」科学主義に代わる生命科学の指針。最も深淵な科学論!
情報の在り方が世界の在り方を決める。「情報の存在論」から「情報の生成論」への転換を示す!近代西欧文明のグルーバル化は、 先進国には豊かな「物質文明」をも たらした反面、「エネルギー・食糧・地球環境問題」と「格差の問題」 という深刻な地球的課題を生じさせた。 西欧文明のグローバル化の中核には自他分離の二元論に基づく近代科学技術があり、さらに、実証主義・功利主義なる哲学や倫理思想と結びついて、 人間の諸活動にも 適用された。行きついた先が新自由主義やリバタリアニズムで、結果、世界を過剰に分断した。 環境と調和する持続可能な世界は「自他分離」の物質科学に代わって、「自他非分離」の生命科学とその方法論によって可能になる。 哲学/社会科学の再考にも繋がる鋭利な考察。
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知の新書 001
 『甦えれ資本経済の力』 文化資本と知的資本
山本哲士 著 1,300円+税 社会科学
ISBN978-4-910131-05-4 C0230 新書判 208頁 2021/2刊  
労働者から脱して「資本者capitalian」に!
従順な自己喪失の賃労働ではなく、自分の力である〈資本者〉と してアクションすること。〈資本〉は悪ではない。自分の力能である。 文化の力である。資本主義なる実体はない。あるのは「商品〈社会〉経済」と「資本経済」である。日本の高度な文化資本を活用して、 場所環境の生活市場を拓き、知識に対する知的資本をホスピタリティ関係技術とともに働かせて、過剰消費社会の欲望を「生存の享楽」 へと切り換える深い洞 察への入り口と指針。わかりやすい話体で、経済、環境、文化、社会を哲学を含めて、何を自分はなしているか、 どう新たに切り開くことかを語る。
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 『聖諦の月あかり』
 思索のかなたに感じているもの:情緒資本論への序奏
山本哲士 著 2,200円+税 思想
エッセイ
ISBN978-4-910131-04-7 C1010 四六判上製 640頁 2020/11刊  
自分が生きる固有の情緒を探るエッセイ
思索の極みの果てにとどかないたいせつなものがある。それはまた初源の、月あかりにうかぶ情緒の場所に照応する。 生きる感覚・情緒のおもしろき、日常の愉しみ、しずかなやすらい、<なせぬ>ものからうまれるしなやかなたしかさ。 「ぼく」が<自分> ( 自ずから分かる ) になる近代思考から脱する<好み>の情緒資本の働き。
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『述語制言語の日本語と日本思想』
 主語制「国語」への言語革命序説
山本哲士 著 3,800円+税 言語学
思想
ISBN978-4-938710-00-2 C1010 A5ペーパーバック判 616頁 2019/11刊  
日本語に主語はない、コプラもない! 主語制言語へ統合化された 国家語=国家資本に対して、 日本語本来の述語制様式を近世の文法 から示し、近代での変容を批判解体する。 日本語・日本文化の述語制は、主客分離の西欧的な近代普遍性を超える普遍力を有する。てにをはが、五十音に配置され、 活用が独立させられていく。富士谷成章、本居宣長・春庭から鈴木朖をへて東条義門 らへと変容する近世文法を見直し、 山田孝雄、橋本・時枝の国語学の転倒、そして和辻哲学の転倒を批判。「主語=主体」化された国語学・ 哲学の誤認を明らかにし、 述語制の普遍をイリイチ、フーコー、ブル デュー、吉本隆明の理論を活用し、松下大三郎/佐久間鼎/三上章の 述語的文法を 再評価し、世界へ開く画期的な書。経済も政治も技術科学も、主客非分離の述語制によって、現在日本の閉塞状況を突破できる。
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『述語制言語の日本語と日本文化』
金谷武洋 著 2,700円+税 言語学
思想
ISBN978-4-938710-47-7 C1010 ペーパーバック判 380頁 2019/3刊  
日本語文法の近代一五〇年の誤りを問う! 英語の主語制言語に対して、日本語の主語なき述語制の 構造を明らかに示し、その日本文化を明証する。 日本語文法が主語のある英文法の引き写しによって根源的な誤りを犯している。印欧語の構文構造と日本語のそれとを対比させ、 日本語の本質から世界の言語理論へ寄与する通道を開く。さらに助動詞の受け身・使役の連続する関係の本質を解き明かす、などなど、 日本で話題となっている金谷文法・ 言語論の明晰で本格的な論述。カナダ在住の著者の、この渾身の著作を読まずして日本語は語れない!
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『論集 源氏物語の文化学』
藤井貞和、小嶋菜温子、
原岡文子 ほか 著
3,400円+税 評論
ISBN978-4-938710-35-4 C1095 ペーパーバック判 288頁 2018/8刊  
「源氏物語」は、日本の文化資本の重要な遺産である。ホスピタリティなども含んだその世界は、 ただの”もてなし”ではない。「源氏物語」に即した深い考察の数々! (本書は、源氏物語に関する「季刊 iichiko 」の掲載論文をひとつにまとめた<文化学ドキュメント>です。
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『〈私〉を再生産する共同幻想国家・国家資本』
 再生産様式の理論
山本哲士 著 3,980円+税 思想
ISBN978-4-938710-37-8 C1010 ペーパーバック判 560頁 2018/7刊  
なぜかくも日本はおかしくなっているのか!〈私〉を取り巻く多様な再生産から根拠を示す。 賃労働者=社会人となっている個人の転倒、 それは共同幻想の国家化と国家資本の効果。
1章 アルチュセールの再生産理論(国家装置概念の転換)   5章 国家と家族的再生産理論(経済セックス形成)
2章 ブルデューの教育再生産論と再生産戦略(文化的再生産) 6章 国家の再生産様式の構成(ラカンとトポロジー的解析)
3章 教育理論による再生産理論と国家的配備(ユニセックス論)   7章 文学生産の理論と再生産(生産の本質相)
4章 マルクスの再生産様式論の本質相(剰余価値の概念転移)  終章 再生産理の限界と脱出(時間論と場所論)
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『子ども/明日への扉』
琴寄政人 著 2,300円+税 教育
ISBN978-4-938710-36-1 C0037 ペーパーバック判 214頁 2018/6刊  
子どもと生身でぶつかってきた教師が、学校社会で、迷う親、現場教師に、子どもの立場から、 明日への扉を開こうとする、深い教師経験からの指針。教育の本質をえぐり出しながら、社会への考察視点をも提示する。
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『文化資本研究 1』
 特集 文化資本とホスピタリティ
文化資本学会 編 2,400円+税 哲学
ISBN978-4-938710-33-0 C1010 A5判並製 352頁 2018/1刊  
日本の文化を文化資本の視座から、多角的に探究する総合誌、創刊!
商品世界、社会規範に囚われた現代社会に対して、<資本>の論理から、近代学問体系を学術転移し、資本経済、ホスピタリティ技術、 場所統治への設計替えを目指す。<資本>とは資金や資財の経済世界ではない、個々の力であり、創造の源である。芸術、着物、医療、 教育・子ども、建築、文学、スポーツ、環境、歴史、総体における諸資本を考察する。
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『非対称の文法』
  「他者」としての日本語
浅利誠 著 2,500円+税 言語論
哲学
ISBN978-4-938710-30-9 C0081 ペーパーバック判 240頁 2017/11刊  
「ている」は進行形ではない!哲学を踏まえた本格的な日本語論!
日本語文法が世界の敷居を踏み越えるべく、日仏二言語間の文法の非対称に焦点を当て、哲学・言語論における、前進を阻害する 認識論的障害を検証し、飽くことなく先行理論及び同時代の理論との対話を試み、負の遺産に鋭い批判を加えつつも一貫して正の 遺産へと転化させる努力を続けて、世界の言語理論へ寄与する通道を開く、パリ在住の著者の渾身の文法・言語理論。 そして、格助辞システムのエッセンス。佐久間鼎、三上章、時枝誠記らの文法論を、フーコー、ソシュール、ハイデガー、 西田幾多郎の哲学とともに考察し、日本文法の誤認を超える!
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『コンシアンスの系譜学』
エドワード・G・アンドリュー著
樋口克己、江川隆男ほか 訳
5,000円+税 哲学
ISBN978-4-938710-29-3 C0010 ペーパーバック判 270頁 2017/10刊  
コンシアンスとは何か? 〈良心〉〈意識〉とデカルト、カント、ヘーゲルなどで 誤認訳されてきた西欧思想の歴史の主観性の根源に働くコンシアンスを明証化した画期的論考。
 
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『国家と再認・誤認する私の日常』
 ラカン理論の社会科学的活用
山本哲士 著 2,600円+税 社会
ISBN978-4-938710-22-4 C0036 ペーパーバック判 270頁 2017/7刊  
国家を永久化させる心的根拠を問う!国家配備の統治制を可能にする 幻想シニフィアンを明示。
山本国家論3部作への本質的な補遺。共同幻想シニフィアンが、国家資本・国家言説・国家認識、その国家アクトといかに 「心的」に関連して統治制に配備されているかを、ラカン理論の中において読み解く。国家が永久化され、産業的諸制度が 当然視され続けていく、その誤認・否認が日々の生活で「再認」され、諸個人は自分ではない「社会代行 為者」=欲望主体 として生存していく。他方、その根源に働いている日本文化の述語制様式を浮上させ、別様の自己技術の可能条件を開削する。 吉本思想とラカン理論を交叉させ、ブルデュー、フーコーにおいて考えられえていない閾を明証にする。
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『ブルデュー国家資本論』
 象徴資本 / 官僚界 / 国家思考
山本哲士 著 4,500円+税 哲学
ISBN978-4-938710-19-4 C1010 A5判変型 600頁 2017/3刊  
国家論3部作完結! 『吉本国家論』(晶文社)『フーコー国家論』につぐ第3弾! 国家を知ることは、自らを知ることである。国家を認識しないことは、自らを知らないことである。 自ら服属する国家に認識が収奪されている。国家は私の「共同幻想」であり、我々の「国家資本」であり、 我々を安全性と戦争に「統治制化」している。社会秩序世界の普遍的なものが揺らぐ現在、吉本共同幻想国家論、 フーコー統治制国家論、ブルデュー国家資本論の相互理論から自らの認知・知覚・評価の構造を知る、 世界線に立った新たな本格的国家論の大作。
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『フーコー国家論』
 統治制と権力/真理
山本哲士 著 4,900円+税 哲学
ISBN978-4-938710-17-0 C1010 A5判変型 608頁 2016/11刊  
国家に実体はない。国家は叡智性の図式でしかない。 国家嫌悪のネガティブな思考は、国家の何ごとも把握していない。フーコーの「生権力」「生政治」をふまえ、 マルクス主義的国家論の基盤を覆し、幻想関係、権力関係と統治制の配備から「国家の統治制化」を明解に論述。 フーコー講義『安全・人口・領土』『生政治の誕生』を徹底解読し、世界の誰もまだ論じえていない フーコー国家論を明示した画期的な書。
 
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憤怒と情愛の美学
『高倉健・藤純子の任侠映画と日本情念』
山本哲士 著 3,800円+税 映画
評論
ISBN978-4-938710-94-1 C0074 B5判並製 384頁 2015/12刊  
健さんは、何を叩き斬ったのか?! 義理・人情にかわる、憤怒・情愛の日本情念論。
高倉健、藤純子、そして鶴田浩二による東映任侠映画の映像言語表現は、井原西鶴の義理、 近松浄瑠璃や長谷川伸の人情をこえる、憤怒と情愛の日本<情念>表出による文化遺産である。 折口信夫による侠客・じんぎの心意伝承論、ドゥールズ、ラカン、フーコーの哲学視座から、 義理・人情の擬制概念を超えて、日本ではじめて任侠映画の文化精髄を本格的に論じる映画文化論。
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『オクタビオ・パス 迷路と帰還』
阿波弓夫 著 4,800円+税 思想
評論
ISBN978-4-938710-98-9 C1098 A5判並製 539頁 2015/10刊  
17年間メキシコに暮らした著者が、ノーベル文学賞詩人・思想家のオクタビオ・パス(1914-1998)と直接交流しつつ、 40数年間向き合い続けて表出した渾身 のパス論。 「メヒコ詩人パスを夢中に書き続けながら、実は無意識に自分という 迷路からの脱出 を試みていたこと、そしてさらに日本に帰還している自分に気が付くに至ったこと、 この二つの気付きのうちに メヒコのパスが自分なりのパスとして蘇生していた。本書 が多少なりとも世に問うものを実体として持つとすれば、 それはもともと「分かる」 というようなごくありふれた言葉が日常生活の何気ない瞬間に異化された経験と一体 になっている ことに起因する。このような経験は特に珍しいというものではない。た だ、筆者の場合、これをメヒコという異世界との出会い のなかで見出した、そしてパ スの杖に支えられて読み考え、かつ励まされてきたということである。」(「読者へ」より)
 
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『思想を読む 世界を読む』
 吉本隆明 X 山本哲士 対話篇
吉本隆明 著
山本哲士 著
2,700円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-97-2 C1010 A5判変形並製 440頁 2015/7刊  
大学アカデミズムがなしえない吉本思想がえがきだした、世界を読む思想可能性を、世界水準の成 果からひきだす、 二五年に渡る対話の全集成。 高度資本主義へ変貌する世界において、教育、ジェンダー、イリ イチ、フーコー、 戦後思想、親鸞、小林秀雄、国家、共同幻想、言語表現、ハイ・イメージ、心的なものを、 世界線の理論成果から山本が、吉本思想の現在的可能性へと迫る。
 
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『思想の機軸とわが軌跡』
吉本隆明 著 3,900円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-96-5 C1010 A5判変形並製 620頁 2015/7刊  
『初期ノート』から「試行」をへて『心的現象論』まで、自らの思想表出の軌跡のすべてを語る。 吉本思想の機軸・根源の深みが、明解に! 日本最高の思想家・吉本隆明が、戦後からの自らの思想表現の軌跡を、本質的に、主要な著書を軸にして、 いかなる契機から、なぜ、いかに論じることになったのかを明らかに語る。 その思想規準から論じられたものは、ますますその意味するものを現在に照らし出す。 聞き手は、気鋭の学者たち。
 
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哲学する日本II
『<もの>の日本心性』 述語表出の開閾
山本 哲士 著 4,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-89-7 C1010 A5判変形並製 560ページ 2014/6刊  
「物かなしい」「物さびしい」の「もの」とは何か?  「物のあはれ」「もののけ」の「もの」とは何か?  日本人はみえない<もの>を感知しえる!  主語がない日本語、その述語制の文化を深層から普遍理論化する世紀的な書。 山水画、狩野派、等伯、宗達、琳派、応挙、蕭白、浮世絵など豊富な素材から、<もの>の線・面・水の現象を探り、<もの>の隠れた閾をとりだし、心性を明示、 新たな理論を構築した。   『哲学する日本』『国つ神論』に継ぐ、画期的な日本論!(図版150点。)
 
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『太陽の石』  Piedra de Sol
オクタビオ・パス 著
阿波弓夫/伊藤昌輝/三好勝 監訳
1,800円+税 文芸
ISBN978-4-938710-87-3 C1097 A5判変形並製 128ページ 2014/4刊  
オクタビオ・パス生誕百周年記念。東北被災地においてパスの詩「太陽の石」を読み、複数の翻訳者が共同して初めて日本語に訳す。そして日本とメキシコに希望の橋を架ける。
ノーベル賞受賞者であり、スペイン語圏を代表する詩人、文学者であるオクタビオ・パスは、1914年メキシコに生まれた。本書で紹介している長編詩「Piedra de Sol」は、1957年に発表され、世界各国で翻訳されている。 また、この1957年はバスが松尾芭蕉の「奥の細道」のスペイン語版「Sendas de Oku」を完成させた年でもある。 当時のメキシコがアメリカやヨーロッパを理想の中心として仰ぎ見る時代であったことを考えると、日本やオリエントを前面に出したこれらの作品の発表はパスが全世界を経巡った挙句に到達した価値転換であり、メキシコのもう一つの顔であった。 大岡信、ドナルド・キーンなどバスと関係の深かった文学者のエッセイも掲載。
 
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「哲学する日本」を読む&河北秀也デザインの解説
『概念芸術の地平』
 2011・3・11以降の芸術哲学のエチュード
楠元恭治 著 6,800円+税 人文
思想
ISBN978-4-938710-84-2 C1010 A5判並製 711ページ 2013/9刊  
「山本哲士氏の『哲学する日本』という書物は、一般的な日本文化哲学を解説する哲学書ではない。西欧思想の現代的到達点としてフーコーを捉え、返す刀で、日本思想の到達点としての吉本隆明を捉え返すことで、新しい「世界知」を切り開く、真の日本発の世界思想である。 アジア的段階から西欧的段階に移行する自然に解放の思想をみるモダンの自我の現代日本=吉本隆明と、西欧的段階の解体的終末を内省するクラシックな自己の現代西欧=フーコーが、共にその臨界で、「自己」というものの「始末の仕方」に思想課題を見出していることに注目し、西欧と日本の限界を同時に超えていこうとするものである。」
著者のホームページより引用
 
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『文学的身体と歴史』
山崎正純 著 3,000円+税 文学
ISBN978-4-938710-80-4 C1010 ペーパーバック 280ページ 2013/2 刊  
本書は、「文学」を生命論的考察の対象として位置づけるための試論である。啓蒙的・批判的理性による現実認識の言語的表象領域として「文学」を実在論的に位置づける近代主義的文学観においては、「文学」はむしろ批判的認識の対象であるはずの歴史の力学に取り込まれ、歴史叙述を構成するイデオロギーが「文学」領域へ侵入する。〈私〉性はイデオロギーを受け入れることで〈公〉的領域に引きずり出される事になるだろう。それこそが近代的個人の成立だとする近代主義と、まず手を切らなければならないのだが、この喫緊の課題の解決は思ったほど容易なことではない。
西田幾多郎、田辺元、吉本隆明、太宰治、小林秀雄、志賀直哉が描こうとした世界を、歴史的世界における文学の身体性によって切り結ぶ。
 
表紙画像 カルプリ
メソアメリカの神話世界
アルフレド・ロペス・アウスティン 著 2,700円+税 神話学
ISBN978-4-938710-79-8 C1010 ペーパーバック 160ページ 2013/2 刊  
神話学の深淵な考証と理論。古代メソアメリカの神話的歴史に、場所原理の存在を読みとる。
古代アステカの神話統合の中に、前古代の場所神話の残滓を読みといた、画期的な神話学。神話と歴史の相互性を実証的かつ理論的に開示した明快な考察は、構造主義的人類学の限界を超える。スペイン語で記された神話書に、ナワ語で記されたもうひとつの神話世界があった。場所の民は、自らの文化を場所の言語でのこしていた。ナショナルな統合に使われがちな神話世界を、場所の論理として転移した本質的神話学である。
 
表紙画像 国つ神論
古事記の逆立解読
山本哲士 著 4,200円+税 記紀神話
ISBN978-4-938710-78-1 C1010 ペーパーバック 520ページ 2013/2 刊  
古事記を場所の国つ神から詳細に解読し、場所共同幻想を拓き、日本書紀の国家設計地盤を覆す!

古事記は場所論、日本書紀は国家社会論である。日本の初発には、二つの異なる設計原理が在った、古事記と日本書紀はまったく異なる。大国主、大物主、猿田彦の国つ神から、天照、スサノヲ、ニニギ、神武など天つ神と天皇の限界を明示し、日本の原基を総括し転換する書である。古事記研究が掴みえていない閾を思想的に明示した画期的な書。
 
表紙画像 日本を変える。
分離の科学技術から非分離の科学技術へ
矢野雅文 著 1,900円+税 科学技術
ISBN978-4-938710-74-3 C1030 ペーパーバック 160ページ 2012/3 刊  
原発事故、津波被災復興の科学的な規準指針が明示される
この本を読まずして、これからの日本はない。産業社会日本を牽引してきた「分離の科学」に対して、新たな日本をつくっていく「非分離の科学」を明示する、3.11 被災後の日本を設計する指針の基軸が、ここにある。自他非分離の新しい科学技術「ビジョン・ゼロ」を提唱する筆者による、これからの日本。グローバル化による弊害を乗り越えて、新しい調和に向かうパラダイムシフトとは。
物質世界の科学技術から、生命世界の科学技術へ。エネルギー・電力システムを、変える。自他分離のサービスから自他非分離のホスピタリティへ、変える。日本を、変える---
 
表紙画像 物象化論と資本パワー 山本哲士 著 4,000円+税 人文
ISBN978-4-938710-73-6 C1010 ペーパーバック 464ページ 2012/1 刊  
マルクス『要綱』に<資本の動き>と力を読み解き『資本論』を超えていくマルクスを抽出。

商品の物象化/制度の物象化/社会の物象化として物象化論の体系を独自に明示し、

個人へ構造化されている「現実の物象化」を心的に解く。
 
表紙画像 地球環境学への旅 松下和夫 著 3,800円+税 環境問題
ISBN978-4-938710-69-9 C1030 A5版 416ページ 2011/9 刊  
3・11後の世界では、原子力と化石燃料依存の大量消費社会パラダイムは崩壊した。人と自然が共生するための環境政策や持続可能な発展とは…。

環境省勤務の90年代から、京都大学教授として「地球環境政策論」を説く今日までの論文、エッセイ、対談などをまとめた、初の論考集。
 
表紙画像 偉大さのエコノミーと愛 リュック・ボルタンスキー 著 3,200円+税 社会学
ISBN978-4-938710-67-5 C1010 ペーパーバック 256ページ 2011/4 刊  
世界最先端の深淵なボルタンスキー社会学
資本主義の新たな精神と愛、シテの理論
日常感覚の判断、正当化はいかになされているか

「すべての人間関係が、力関係と利害関係だけに支配されているという世界」は疑わしいとするボルタンスキーは、正当化可能な合意における「同等性」の原理から、「人間と事物とをある関係において関係づける、相対的な偉大さを評価し、彼らの価値、大きさ、偉大さに応じて人々への財をの分配を調整し、彼らの間に同等性を築くことができる」、〈6つの偉大さ〉をめぐるシテの原理を抽出した…。
 
表紙画像 風呂の文化誌 山内昶、山内彰 著 3,000円+税 文化史
ISBN978-4-938710-66-8 C1036 ペーパーバック 288ページ 2011/3 刊  
人は一体何のために風呂に入るのだろうか。
―本書では未開、東洋、西洋の風呂を訊ねながら、その共時的、通時的な共通性と差異性を剔抉(てつけつ)してみよう。
いわば古今東西の風呂をめぐって紙上でどっぷり漬かりつつ、人類にとっての風呂の文化象徴論的意義について、長湯談義の文化比較を行ってみたいのである。
(「はじめに」より)
 
表紙画像 哲学する日本
非分離・述語制・場所・非自己
山本哲士 著 3,300円+税 人文
ISBN978-4-938710-65-1 C1010 210×127ペーパーバック 424ページ 2011/2 刊  
西欧哲学の地盤を覆す!
日本語の論理と日本技術に新たな哲学原理を見出す。


「日本」は、非分離・述語性・場所の概念をもって捉えることができる。それは、西欧哲学を地盤変えし、感覚の非自己閾を開く。日本語の論理、日本の文化技術から、新たな哲学を掘りあて、言説生産する超領域的思考による大転換の書。
 
表紙画像 ブルガーコフ作品集 ミハイル・ブルガーコフ 著 2,800円+税 海外文学
ISBN978-4-938710-62-0 C1097 210×127ペーパーバック 240ページ 2010/10 刊  
ドストエフスキーを超える偉大な作家の珠玉短編集
未訳短編、『巨匠とマルガリータ』初期稿、「モルヒネ」、戯曲「偽善者たちのカバラ」などを収録
スターリン時代のソヴィエト連邦で不遇をかこい、その風刺性ゆえに長いあいだ当局に睨まれ、生前は書いた小説や戯曲の多くが発禁となった、ウクライナ出身の悲劇の作家、ブルガーコフ
没後は広く読者の注目を集め、遺作である長篇小説『巨匠とマルガリータ』は世界中に熱狂的なファンを持つ。波乱の人生を送ったブルガーコフの本質と魅力にせまる
 
表紙画像 想像的なものの人間学 モーリス・ゴドリエ 著 2,400円+税 文化人類学
ISBN978-4-938710-61-3 C1010 210×127ペーパーバック 154ページ 2010/9 刊  
人間・人類の存在の根源に迫る、世界最高度の人類学
絶対に交換しえないものがある
レヴィ=ストロースを超えると自ら豪語するゴドリエ人類学=人間学の真髄。社会と文化の区分をこえ、西欧主義人類学の限界を反省し、人間・文化に迫る、実証と理論の綜合された、根源的な思考は、構造主義を超えていく。そのエッセンスをこめた論集。
名誉ある、フランス国立科学研究センターでの金賞受賞記念講演をはじめ、性・家族・親族を問い返し、モースの贈与論の陥穽を見抜き、贈与・交換の謎にせまる。
 
表紙画像 ホスピタリティ講義
:ホスピタリティ・デザインと文化資本経済
山本哲士 著 2,700円+税 現代思想・経済
ISBN978-4-938710-60-6 210×127ペーパーバック 256ページ 2010/9 刊  
ホスピタリティが、ビジネスを飛躍させる!
混迷・閉塞する現代経済状況を超える新たな経済(ビジネス)の哲学と設計指針!
デザインは設計である 
21世紀はホスピタリティ・ビジネスの時代
ホスピタリティは、商品/サービス、経済・社会経済を超える資本と場所の実質経済つくりだす。新たなホスピタリティ経済が未来を拓く。哲学・学問の設計変えによる新たな環境づくり。
 
表紙画像 イバン・イリイチ
文明を超える「希望」の思想
山本哲士 著 3,500円+税 人文
ISBN978-4-938710-56-9 C1010 菊判ペーパーバック 538ページ 2009/11 刊  
産業文明を超えるイリイチ思想の全貌を後期イリイチから論述。
1979年『学校・医療・交通の神話』(新評論)を記した処女作から30年、満を持しての書き下ろし。いまこそイリイチは、生きる。教育・医療・速度のサービス制度批判をこえ、シャドウ・ワーク、ジェンダー、道具、さらに環境、文字、テキスト、光、そしてホスピタリティとコンスピラチオの思想地平が描かれる。これを読まずして、現在の本質は考えられえない。
 
表紙画像 太宰治
哲学的文学論
山崎正純、中村三春、山本哲士 著 1,350円+税 文学
ISBN978-4-938710-54-5 C1095 菊判ペーパーバック 200ページ 2009/7 刊  
【内容】
太宰治と日本浪曼派 山ア 正純  
太宰的アレゴリーの可能性―「女の決闘」から「惜別」まで 中村 三春

【討議】 
太宰文学の深さ:太宰治研究の新展開 山ア 正純/中村 三春/山本 哲士
太宰治の〈非自己〉の哲学 山本 哲士
 
 
表紙画像 新版 教育の政治 子どもの国家 山本哲士 著 2,200円+税 教育
ISBN978-4-938710-52-1 C1010 菊判ペーパーバック 216ページ 2009/5 刊  
『学校・医療・交通の神話』、『教育の分水嶺』、『学校の幻想 教育の幻想』、『学ぶ様式』など、日本で新たな教育理論の地平を開いてきた著者久々の教育論。状況を本質的に解読、教師と親のための思考ツールを供する。
教育のネオ・ナショナリズム
現代教師の環境
学校の政治空間
教育知の政治コード
学ぶパワーの文化資本
ホスピタリティ教育の場所環境
そして、結章「教育の分水嶺」を新版では加筆。
教育が政治であることを徹底して解明、そこからしか子ども・教師の解放はない!世界線での教育理論を唯一日本で展開する。
 
表紙画像 新版 デザイン本質論
吉本隆明と河北秀也デザイン
楠元恭治 著 16,000円+税 デザイン・人文
ISBN978-4-938710-25-5 C1010 B5判 670ページ 2009/4 刊  
デザインは単にきれいな表現という仕事ではなく、現実的に正しく勝ち抜かなければ意味をなさない社会の芸術としての「生デザイン」である。思想の現在において吉本隆明は、戦後あくなき論争を勝ち抜き日本に自立可能な思想を築いたが、まさに自立のデザインを自己表出したデザイナーこそ河北秀也である。本書は、吉本隆明が思想論争を展開したその時代から、拡張する日本資本システムと真正面から向き合い、今もなお「生デザイン」を展開し続けている河北秀也のデザイン生成の物語を、河北デザイン作品図版300数点と楠元の詩的論理で展開した叙情的イメージに満ちた本である。
 
表紙画像 日本〈社会〉イズムとポストモダン・ファシスト 山本哲士 著 1,800円+税 人文・社会
ISBN978-4-938710-49-1 C1010 菊判ペーパーバック 230ページ 2009/3 刊  
社会主義でも資本主義でもない、SOCIETYism=社会イズムという新たな概念でもって、規範化社会を解読する。規則に従属した日々の営みが、諸個人を不能化し、その不能化が意思をもったときイデオロギーなきファシストという全体主義へ転じる。日本の現在病理を解く。情報技術がデータ社会を構成し、ブログ上での真実が支配的になることで知性と感性が腐食していく。
ホスピタリティと反転した「非身体化」されていく現状にたいして、ホスピタリティの重要さをもとめる書。
 
表紙画像 ミシェル・フーコーの思考体系 山本哲士 著 3,500 人文
ISBN978-4-938710-50-7 C1010 A5変形判ペーパーバック 536ページ 2009/3 刊  
フーコー思想の全貌と真髄を体系的に論じた、日本初の本格的フーコー三角形論
序章 フーコー三角形の論理編制/1章 フーコーの政治哲学/2章 「真実を語る」フーコー/3章 自己テクノロジーの政治学
4章 フーコーの権力関係論/5章 知とディスクール理論/6章 フーコーのセクシュアリテ論
7章 フーコーの医療論:病院空間/8章 フーコーの「試験」論/9章 統治制の政治学
10章 社会が防衛されなければならない:戦争論/11章 国家の統治技術と社会の出現/終章 非自己の述語閾
 



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表紙画像 文化科学高等研究院出版局 書籍リスト FAX注文書(PDF)
LIBRARY IICHIKO 164   AUTUMN 2024
 『 教育の文化学 (1)』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-44-3 C1010 A5判変形 128頁 2024/10刊  
なすべきは、イリイチが言っているように、天動説か地動説かではなく、 天球を置くか外すかの問題だった。それが今や「社会」なる天球を外すことにかかっている。 そうしないと実際の「場 所」が見えない。つまり、環境と生存の地盤が見えていない。 本誌が国際版で社会の実定性を問 う国際セミナーをなしたのは、 2000 年頃だ。以来 20 数年、 ようやく常識という思い込みか らの脱出が実際味を帯び始めている。
▼【巻頭言】成瀬久美「教育はどこへ向かっていくのか」 ▼サティシュ・クマール「シューマッハ哲学と世界への貢献」 ▼米倉誠一郎「サステナブルデザインから紐解く平和教育学」 ▼山本哲士インタビュー「教育・学校・子ども、そして〈学ぶ〉こと」 ▼イバン・イリイチ【document】「教育の領域」 ▼藤井貞和「紫上の死去、残される人々」 ▼兵藤裕己「『平家物語』と中世国家論」 ▼山ア正純「李良枝「ナビ・タリョン」論」 ▼鈴木貞美「『今昔物語集』とは何か」 ▼カラー特集「バリ島神々の島の信仰と芸能」  
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LIBRARY IICHIKO 163   SUMMER 2024
 『日本文学史を編みなおす〈古代篇〉2 』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-42-9 C1010 A5判変形 128頁 2024/7刊  
言説の規準地盤を「日本文学」において、その文学論・物語の組み直し、文学史の編み直しが、 いかなる次元にあるのかをしっかり踏まえて、そこを通過させて、ラカン文学論を新たな可能地平へと開かねばならない。 ここが、西欧言説と日本言説との間における本質的・言語学的な可能態の穴になっているはずだ。心的なもの、言説的なものと、 エモーショナルなものの関係である。述語制言語の哲学・文学論・言語学が開かれていく射点である。 日本語が潜在的に領有している普遍の場所になる。これは、すでに構造化されている日本文化技術やアート技術に対応するもので、 さらには生命技術、情報技術にも活用されていくことにつながりうる。  
▼鈴木貞美・古橋信孝・三浦佑之・藤井貞和「日本文学史を編みなおす〈古代篇〉2」  ▼兵藤裕己「中世仏教史の課題と物語史」  ▼鈴木貞美「日本のナラトロジーへ4」  ▼山本哲士「文学理論生産の哲学と社会科学(draft)」  ▼カラー特集「花の絵に彩られた村」  
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LIBRARY IICHIKO 162   SPRING 2024
 『日本文学史を編みなおす〈古代篇〉1 』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-41-2 C1010 A5判変形 128頁 2024/4刊  
言語は、ただ書かれるだけではない。書かれていない場所に作用しているシニフィアンがあり、 書かれた言説は考えられえていない体系を構造化している。文学は、哲学不在の日本 において、思想以上に、その言葉と物の関わりにおいて、 その実際行為の可視性とそこへの 理解可能様式との間における諸関係の体系を語っているとき、見えるものと見えないもの、 聞こえるものと聞こえないもの、の感覚と知覚の歴史相に応じて、エモーションの分割と分配を非分離に語っている。  
▼鈴木貞美・古橋信孝・三浦佑之・藤井貞和「日本文学史を編みなおす〈古代篇〉1」  ▼野口武彦「鴎外五人女」  ▼山本哲士「新たな資本経済/場所を開いていく言説:知的資本論の序  ▼カラー特集「古都チェンマイの自然素材と暮らし」  
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LIBRARY IICHIKO 161   WINTER 2024
 『渡り鳥の環境文化学』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-40-5 C1010 A5判変形 128頁 2024/1刊  
鳥たちの鳴き声や羽音に満たされた季節は、自然環境が健全であることの証でもある。 そして、渡り鳥は平和の象徴でもある。・・・・ 政治の如何を問わず、関係する国々の協力が問われる生き物の代表が、 渡り鳥である。この冬も変わらぬ渡りの風景を見ることができたと感じるとき、地球の平和と安全を願わずにはいられない。 (田中俊徳「巻頭言渡りの季節、平和の季節」より抜粋)  
▼袁孝維・洪崇航「戦争の遺産:馬祖列島のアジサシ類保護区とヒガシシナアジサシ」 ▼牛山克巳「渡り鳥、湿地、人――価値の変遷とつながりの再生」 ▼先崎理之「渡り鳥たちの夜間飛行」 ▼葉山政治「渡り鳥を守る」 ▼守屋年史「水辺の渡り鳥と湿地の保全」 ▼笠原里恵「コチドリを追って台湾へ」 ▼久井貴世「歴史資料が語る江戸時代のツルの旅」 ▼田中俊徳「渡り鳥の保護をめぐる国際法制と平和構築」 ▼野口武彦「山吹夢譚」 ▼鈴木貞美「日本のナラトロジーへ(3)」 ▼カラー特集「Mardin 文明と民族の交錯するまち」
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LIBRARY IICHIKO 160   AUTUMN 2023
 『日本文学から文化根源を考える』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-39-9 C1010 A5判変形 128頁 2023/10刊  
文学・文芸は「虚構」の文言・言語ではない。人間存在や歴史文化的存在における言説的プラチックである。 文学・物語は、〈主体の実践〉世界ではない。歌謡の述語表出は、日本の文化軸である。文学・ 文芸が表出してきた言語プラチックを、 言説的次元から見直す。「終わりへの始まり」が、限られた論者しかいない状況の中であろうと、知的・情緒的な資本の意味作用生成としてなされ、 人々のそれぞれの役に立っていくことを信じ希望し、探求に邁進する。
▼浅利誠「非存在論的言語の文法:言文一致以後の口語日本文法【遺稿】」 ▼兵藤裕己「言文一致体という「近代」ことばと「現実」、泉鏡花の口語文体をめぐって(2)」 ▼野口武彦「廿一世紀日本語言文の現在地」 ▼鈴木貞美「日本のナラトロジーへ(2)」 ▼山本哲士「日本語の述語制文法の言説資本:draft 1」 ▼カラー特集「スリランカのアーユルヴェーダ――自然のもつ癒しの力」
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LIBRARY IICHIKO 159   SUMMER 2023
 『物語の形而上学へ』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-38-2 C1010 A5判変形 128頁 2023/7刊  
日本の文化資本が述語制文化にあること、そこで作用している非分離の文化技術を、 情緒資本と知的資本の現働力として稼働させて、世界へ貢献できる文化学へと3年をかけてまと めていきます。 かかる〈まとめ〉のスタートとなる舵取り転換と方向づけのモメントである 今回の特集です。
▼鈴木貞美「これからの日本文学史:文芸・文化史の再構築へ」 ▼兵藤裕己「言文一致体という「近代」ことばと「現実」、泉鏡花の口語文体をめぐって(1)」 ▼鈴木貞美・山本哲士対談「「物語と歴史」の関係へ(2)」 ▼鈴木貞美「日本のナラトロジーへ(1)--エクリチュール (記述形態)への眼差し」 ▼山本哲士「余白の余白における穴:述語制の哲学言説と学問体系へむけてのメモ」 ▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載11】」 ▼カラー特集「遠野の山に暮らす馬」
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LIBRARY IICHIKO 158   SPRING 2023
 『島の自然と文化学』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-37-5 C1010 A5判変形 128頁 2023/4刊  
今回は〈島〉の場所環境の時間・空間・身体を、田中俊徳氏のディレクションのもとで目覚ませていただいた。 日本は島嶼国、列島である。そこには、多様な場所資本、文化技術資本、身体資本などが存在している。 既特集であった南相馬、日本橋などの場所考証につながる場所環境論である。
▼【巻頭言】田中俊徳「島の空気は、人を自由にする」 ▼山極壽一「島の未来可能性」▼小野寺浩「屋久島環境文化村構想」▼矢原徹一「九州と沖縄の自然と文化」 ▼湯本貴和「屋久島の郷土食」▼高橋そよ「はざまを生きる島の時間」▼山崎敦子「さんごの島」▼田中俊徳「自然保護法制をめぐる島と世界の重層性」 ▼大橋洋一「両方になる(2)」▼兵藤裕己「言文一致体という「近代」(2)」▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載10】」 ほか
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LIBRARY IICHIKO 157   WINTER 2023
 『農の文化学へ』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-36-8 C1010 A5判変形 128頁 2023/1刊  
「農業」ではない「農」だということがあちこちで主張されてきたとき、農の産業化=商品化における農作物のあり方への見直しが、 環境への配慮とともに、消費者の側にも届いてきた。それは、農作物の商品化自体への問い直しにもつながっていった。 「農」は人類の生存の土台であるからだし、文化・環境のコアでさえあるからだ。 「農の場所、場所の農」を文化を含み歴史からも考える特集を、協力を得て組んでもらった。これはまだきっかけだ。 農をめぐる見解は多々あるが、場所環境の違いから考えていくことであろう。 「生存」という意味が「生活」から分離されてしまった産業社会を脱していく時代になっている。
▼宇根豊「農へのまなざし」▼蔦谷栄一「江戸時代の循環型農業とその源流」▼関根佳恵「小規模・家族農業とアグロエコロジーの重要性」 ▼小松ア将一「炭素貯留と生物多様性そして環境再生へ」▼ 新井章吾「山から海へ土壌表面付近を移動する地下水に伴う養分の循環」 ▼赤穂達郎インタビュー「日本の文化資本・文化技術である自然栽培」▼呉尚久「世界が直面する食の危機に対応し持続可能な社会の土台となる農業の在り方」 ▼徳江倫明「持続可能な農業を考える」 ほか
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LIBRARY IICHIKO 156   AUTUMN 2022
 『文学と哲学と歴史』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-35-1 C1010 A5判変形 128頁 2022/7刊  
思考の秩序と生きられた秩序とは非分離であり、個人の想像力と社会的象徴性はそこから発しているゆえ、 述語表出でしかそこは語られないからである。意味は意味として構成されていないシニフィアンの次元の表出が自己表出である。 語とともに開かれ、文とともに閉じられるパワー関係 がある。個人は、主体的=主語的実存ではなく、社会エージェントでもなく、 客観的生物実在でもなく、世界で唯一の述語的〈自分〉である。 〈物語=歴史〉の新たな概念空間がそこの断裂=裂け目を非分離へと構成転移していく。
▼藤井貞和「「石、「かたち」、至近への遠投」▼古橋信孝「文学研究の今」 ▼中村三春「序説・雑音 調文芸学」▼服藤早苗「平安時代の結婚と夫と妻」 ▼鈴木貞美「なぜ、日本におけるナラトロジーが 必要か(4)――柳田國男の民俗学、その評価の問題[その2]」 ▼野口武彦「わが名を呼ぶ声」▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載8】」 ▼カラー特集「木とともにある暮らしフィンランドの森と建築」
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LIBRARY IICHIKO 155   SUMMER 2022
 『和の文化資本』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-34-4 C1010 A5判変形 128頁 2022/7刊  
本誌は、文化学追究の長い考察検証から、日本文化の本質原理を「非分離、述語制、場所、非自己」として探し当てた。 その深みをより広く見ていくため、近代西欧原理の限界をこえ る新たな本質的普遍力として、世界へ貢献できるものへと磨き上げていくことだ。
▼山本哲士「「和の文化資本」探求のための哲学的原理」 ▼小山聡子「見えないモノの文化」 ▼田中仙堂「「侘茶」はいかにして文化資本になったのか」 ▼鈴木貞美「なぜ、日本におけるナラトロジーが必要か(3)--柳田國男の民俗学、その評価の問題[その1]」 ▼長谷川櫂「涼しさの文化---俳句はなぜ短いか」 ▼陳柯岑「村上春樹とサルトル『存在と無』--『回転木馬のデッド・ヒート』試論」 ▼兵藤裕己「19世紀末(明治20年代)日本の近代小説、その可能性と限界」 ▼田中俊徳「森の文化、ジビエの文化」 ▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載7】」 ▼カラー特集「マヨルカ島の布」
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LIBRARY IICHIKO 154   SPRING 2022
 『 物語と歴史の文化学 V』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-29-0 C1010 A5判変形 128頁 2022/4刊  
▼陳柯岑「「パン屋再襲撃」論――現実と虚構のはざま」     ▼中村三春「虚構論と物語論」
▼【対談】鈴木貞美×山本哲士「「物語と歴史」の関係へ(1)」
▼鈴木貞美「なぜ、日本におけるナラトロジーが必要か(2)
  ――ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー』、もしくは類型に憑かれた知性」
▼山口吉彦が見たアマゾンの世界と収集の技術
▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載6】」   ▼カラー特集「AMAZON 山口吉彦コレクション」
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LIBRARY IICHIKO 153   WINTER 2022
 『 物語と歴史の文化学 U』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-24-5 C1010 A5判変形 128頁 2022/1刊  
▼安藤宏「『あひゞき』の系譜」
▼藤井貞和「漢字かな交じり文、神経心理学、近代詩」
▼【鼎談】鈴木貞美×兵藤裕己×山本哲士「日本語/文学から日本文化の普遍を考える(2)」
▼鈴木貞美「なぜ、日本におけるナラトロジーが必要か(1)野家啓一『物語の哲学』第1章を脱構築する」
▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載5】」
▼カラー特集「馬の住む御崎」
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LIBRARY IICHIKO 152   AUTUMN 2021
 『 物語と歴史の文化学 T』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-20-7 C1010 A5判変形 128頁 2021/10刊  
▼【鼎談】鈴木貞美×兵藤裕己×山本哲士「日本語/文学から日本文化の普遍を考える(1)」
▼兵藤裕己「言文一致体の起源:「主体」の観念、「近代的自我」の始まり」
▼古橋信孝「物語の読み方」
▼山本哲士「文学理論と哲学とのはざまの理論生産(1):序奏へ」
▼野口武彦「讃美歌とざれ歌:岩野泡鳴の小説技法」
▼鈴木貞美「三遊亭円朝の位置:明治期「言文一致」再考U」
▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ
【連載4】▼金谷武洋「話せる日本語(5)」 ▼カラー特集「馬のすむ島」
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LIBRARY IICHIKO 151   SUMMER 2021
 『笛の日本文化』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-13-9 C1010 A5判変形 128頁 2021/7刊  
日本文化の原理である、〈非分離/述語制/場所/非自己〉を、それは完璧に領有しているからだ。 笛は奏者があってこそ、その意味を作用させる、その息の吹き方・ 鳴らし方が非分離にならないと音が出ない、そして奏者によって、 一本として同じものがな いそれぞれの笛が多彩な異なる音で奏でられる述語制にある、主体的・主語的では鳴らないし客観的にそれは演奏されない。 そして、竹の産地によってまた音の色がかわり、場所の中で吹くと自然との非分離的な述語表出がなされる。 笛に合わせ、非自己状態になることで自分らしい音を奏でられる。
日本文化の凝集体が、そこにはあるのを、わたしは自分の哲学そのものの具現体として、自分で奏しながら考え、 遊び、楽しんでいるのだが、自らの知的資本と情緒資本のバランス が取れているインストルメントであるのだ。 三味線、琴、尺八、太鼓など、日本楽器は多々あるが、一番庶民的で身近に奏せる、たった一本のけなげな笛に、 日本総体が凝縮されているのに、わたしは驚愕した。〈日本音階〉もまた、言語と同じように、 明治近代以降侵蝕されてしまったが、これは根源から再考されて然るべき文化資本である。
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LIBRARY IICHIKO 150   SPRING 2021
 『医療とホスピタリティと文化』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-10-8 C1010 A5判変形 128頁 2021/4刊  
▼赤星隆幸先生に聞く「白内障手術ひとすじの意志とこころ:患者のための世界最高峰の医療技術とホスピタリティ」
▼西野憲史「コロナ時代の認知症予防」
▼坂井秀夫「毎日歯ブラシしても歯を失うのは何故?」
▼山本哲士「医療と医療化との違い:真の医療行為と病/痛み/健康の自律性」
▼笹島寿美インタビュー「日本の精神文化としての着物――衰退と未来」
▼浅利誠「述語制言語の日本語とコプラ【連載2】」
▼金谷武洋「話せる日本語(2)(3)」
▼カラー特集「着付けと帯結び笹島寿美」
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LIBRARY IICHIKO 149   WINTER 2021
 『言語転換の文化学』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-08-5 C1010 A5判変形 128頁 2021/1刊  
▼金谷武洋「話せる日本語(1)」
▼野口武彦「『たけくらべ』のナレーション」
▼高橋修「坪内逍遥「自叙体」の試み――探偵小説から『細君』へ」
▼山口源兵衛インタビュー「美と精神」
▼山本哲士「資本経済と言文一致の言語変容における「述語制の論理」の〈移動/転移〉の問題」
▼松下和夫「ネットゼロへの世界の潮流と日本の課題ーー「緑の復興」(グリーンリカバリー)から脱炭素社会へ」「気候危機とSDGsに若者がとりくむこ とへの期待」
▼カラー特集「奄美の自然と大地が生み出す色」
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LIBRARY IICHIKO 148  AUTUMN 2020
 『明治期の言文一致と翻訳の言説生産』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-03-0 C1010 A5判変形 128頁 2020/10刊  
▼野口武彦「初めに聴覚ありき」
▼浅利誠「言文一致とテイル ― 将来の日本語文法のための序説」
▼鈴木貞美「明治期「言文一致」再考 ― 二葉亭四迷「余が言文一致の由来」を読みなおす」
▼大橋崇行「翻訳と言文一致との接点 ― 坪内逍遙・山田美妙・森田思軒」
▼山本哲士「言文一致の理論的な配置」
▼小田切祐詞「絆、あるいはつながり重視の世界における真正な紐帯」
▼山本哲士「新たな〈資本経済〉と場所:知的資本としての概念経済U」
▼カラー特集「帯の精神」
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LIBRARY IICHIKO 147  SUMMER 2020
 『資本主義経済への知的資本』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-02-3 C1010 A5判変形 128頁 2020/7刊  
商品経済も労働経済も産業経済も、さらには環境経済も、その地盤には〈資本〉が作用しているのに見失われている。 〈資本〉は資金や資財ではない、個々における力能である。文化資本、象徴資本、社会資本、さらに場所資本、技術資本、言語資本、 環境資本、自然資本など多様な資本が働いており、経済資本だけが経済を動かしているのではない。政治資本も統治資本、国家資本を 場所資本から見直すべき地平に今やある。それは最低限のものをより多くではなく、固有の至高のものを目指す。 「商品経済」「賃労働経済」(他律的社会経済)から、〈資本経済〉、個々人の自律力能を領有した〈資本者capitalian〉の自己技術 へとシフトする上で、〈日本の文化資本/文化技術〉の本質を文化的に開削していくことが要される。それは西欧的普遍性に代わりうる 普遍性を有しているが、日本文化が情緒資本として感取されている状態を〈知的資本〉へと言説生産していかねばならない。 またマネジメントは、ドラッカーが言うようにたまたま経済企業において活用・探究されただけで、総体的に開発適用されていくべきものだ。 商品経済マネジメントが社会マネジメントに拡張されてきた、その限界を超えていく〈資本経済マネ ジメント/場所マネジメント〉であるが、 「知識に対する知」の働かせ方である〈知的資本intellectual capital〉の新たな構築なくしては不可能である。 ワーク/技術に知識を応用する知識資本knowledge capitalのままでは、もはや現実に対応できず、自分の命を自分で守れない。 マネジメントは自分の自分に対する自己技術である。他律技術優位への依存によって 安全を保つ時代は終わったのだ。 パンデミックは世界中を不安と恐怖に陥れたが、医療行為と別ものの医療化が「社会」世界を一般化することによって、場所での 出来事を抽象化してしまう社会統治技術そのものの不備性を露呈した。 「商品経済」の社会市場を前提にした知識では対応できない現実が出現していることへの認識不足である。 かかる現状に対して、新たな概念空間と自己技術へと知的資本が、近代エピステモロジーを突き抜けて進みいく回路と思考格子を、 本誌はさらに明 証に探究しつづけていきたい。
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LIBRARY IICHIKO 146  SPRING 2020
 『おもてなしとホスピタリティの文化学』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-01-6 C1010 A5判変形 128頁 2020/4刊  
新型コロナウイルスで世界中が大変なことになっているが、そこには医療と医療化との違いが混在されて、多分に混乱が派生して もいる。個々人の自律性の癒す力次元と、いわば、医療化された社会世界での産業経済や産業的統治政策の社会次元と、痛み・病い・ 死に対す る文化的次元とが、医療行為と医療化との関係の中に一束たんにこめられて混乱している。 医療行為は本質的に患者と医師の1対1の「身体」を対象にしたホスピタリティ的な関係にあるものだが、医療化は多対多数の「人口」 の場に置かれたサービス的な関係に置かれている。これが拡大していく過程で、人口総体に対する統治の技術の問題になって、そこに 医療行為ではない物事が医療化判断され、諸個人の自律性が医療化依存へと転倒する。 今にも 自分の脇に起きてくるかもしれない「不安」「心配」が医療化された意識において、まだウイルス自体が何であるかが解明され ていないことに対応して拡大する。歴史的に、疫病はそれが衰退してからワクチンが発明されるのであって、医学的処置が疫病を鎮静 させたのではない。人類はウイルスとの戦いを生き抜いてきた。医療は後追いで、その鎮静後の拡大を制御してきた。医療化の浸透は、 依存意識と依存関係の自律力麻痺を拡大させ、さらに歴史的には保健衛生を媒介に人口統治のパワー関係と経済の医療化を拡大させた。 この領域が、予防の統治の医療マターによって医療自体ではない経済の停滞を余儀なくさせられる。当事者たちは、自己身体生命の存続 に関わる事態になるが、非当事者たちは生存危機に関係づけられるかのようになってしまう。医療の臨床的技術次元、医療化の社会的次元、 そして生命に対する文化的次元を混同せずに考える自律性を自らに取り戻す機会である。
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LIBRARY IICHIKO 145  WINTER 2020
 『文化資本としての述語制日本語』- 探究ガイド -
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-910131-00-9 C1010 A5判変形 128頁 2020/1刊  
「述語制」は、本誌が創出し提起してきた概念である。文化学を世界第一線の論者たちの参画による言説水準からとらえながら、 構造論以降の知的到達点を踏まえ、日本の歴史的蓄積である文化資本・文化技術から実際的な具体の物事の上で〈日本〉の普遍水準を 発見してきた。その地盤に〈日本語〉が、述語制様式の世界を構築していることが見出された。・・・ 基礎批判概念は、〈主語制言語様式〉と〈述語制言語様式〉とを対比的にクリテリアにおくことである。そして、述語制は、動助辞・ 静助辞の〈述辞体系〉を理論言説化していかない かぎり構築されない。助詞・助動詞としてこれを非自立語、付属語、概念がないと 「助〜」 としている現状は主語制概念空間にまだ止まっていることでしかない。述辞は、統率的働きをする概念世界である。主語と されているものの方が従属語であるのだ。そもそも[subject]に「主語」「主体」など〈主〉を当てたこと自体が大誤訳である。 助詞も[particle]が、冠詞・前置詞・接続詞・間投詞や接頭辞・接尾辞など日本語の概念空間とまったく違うものなのに、 当てはめ を仮構した。これを屈折語と膠着語の違いだなどと仕分けている限り、日本語の「述辞と語の間の〈繋がり〉」の高度な理論構造と構成 はまったく把捉されない。それはコプラ(繋辞)ではない。コプラなど日本語には無い。
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LIBRARY IICHIKO 144  AUTUMN 2019
 『 雑草の文化学 』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-28-6 C1010 A5判変形 128頁 2019/10刊  
▼冨永達「ドクムギ――種子散布を人間に依存する植物」
▼三浦励一「かたかご・すみら・むかご──ことばでたどる民俗植物誌」
▼吉岡俊人「どちらのハコベ?──人と係る野生植物、雑草の生き方」
▼冨永達「食用作物としてのモロコシの栽培と利用」「テフ、エチオピアの雑穀」
▼山本哲士「主語制言語と述語制言語との対比:文法次元への批判的アプローチ」
▼カラー特集「北米の風呂と文化――アメリカとメキシコの熱気・蒸気浴」
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LIBRARY IICHIKO 143  SUMMER 2019
 『本居春庭「詞八衢」』
 ― 述語制日本語をとりもどすため 2 ―
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-44-6 C1010 A5判変形 128頁 2019/7刊  
本居春庭の第二弾『詞八衢』特集である。これで、前号の『詞通路』とともに春庭の基本的な書を 活字で読めるようにした。春庭研究で大切な、中村朱美氏の貴重な論考を再録掲載させていただいた。富士谷成章、本居宣長、 そして春庭、御杖、柴田常昭さらに鈴木琅など、近世の文法言説を述語制言語の基本にすえて、山田孝雄、松下大三郎、佐久間鼎、 三上章を再考し、そして現在の藤井貞和、金谷武洋、浅利誠を組み込んでいくことだ。近世文法も、東條義門で転換 が始まって いくゆえ、以前の契沖や真淵との非連続も含め、ただ連続系譜としては扱えない。非連続的に何がなされていったのかを、緻密に 交渉せねばならない。こうした言説生産は、橋本文法や時枝文法などではない。まだ、日本語に主語がある、主語が省略されている などの西欧文法基準の誤った見解を、日本語に主語などないことを知っていながらなし続ける愚行は、1日でも早く無くならないと、 日本のこれからの未来はないのは確かである。 述語制言語は、世界的にも普遍なことで、日本語にはその優れた遺産が日本の文化資本としてあり、かつ、述語制表出は、美術や 道具、着物、建築さらに武術などの術技に蓄積されている。潜在する日本の文化資本の質は、西欧的普遍化と共存しうる高度なもの であるが、理論的に概念化されえていない。多様な遺産があるにも関わらず、対象化しきれていないのだ。とりあえず、本誌は、 「非分離・述語制・場所・非自己」の概念空間を、西欧的な「主客分離・主語制(主体)・社会・自己(自我)」に対抗して抽出 したが、この生産的な相反共存が大事なことで、前者が自覚されていないことが問題である。
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LIBRARY IICHIKO 142  SPRING 2019
 『本居春庭「詞通路」』
 ― 述語制日本語をとりもどすため ―
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-46-0 C1010 A5判変形 128頁 2019/4刊  
日本語を考察していけばいくほど、一般流布されている文法の転倒にはあきれ果てるのだが、日本語には 主語もなければコプラもない。それは論理性が言語表現において高度であるからであって、論理がないからではない。日本語自体の 理論的な対象化がなされていないだけのことである。言語形式と論理形式とを混淆させたアリストテレス的論理学の限界を、日本語言語 理論は超えていきうる。本誌は「述語制」を概念空間化すべく日本語への一貫した考察を続けてきた。本誌にて連載された二つの画期的 な考察が、浅利誠『非対称の文法』そして刊行されたばかりの金谷武洋『述語制言語の日本語と日本文化』としてまとめられている。 加えて藤井貞和『文法的詩学』『文法的詩学その動態』に関するインタビュー(本誌127号)があるが、この三者が、本格的な日本 語文法の考察である。わたし自身は、時枝や橋本の国語学・文法を認めないが、近代過程で主語制言語へ転換されてしまった間違いを、 日本語それ自体の述語制言語へと戻すことが日本の文化資本・文化技術の普遍性へ近づく地盤となる。英文法 の日本語への当てはめ は、日本語ではない、棄却すべきである。科学技術においても資本経済においても日本芸術・武術や情報技術においても、述語制は作用 している。それを明らかにしていくことは、世界への大きな貢献である。
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LIBRARY IICHIKO 141  WINTER 2019
 『ラカンからの現代世界言説』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-40-8 C1010 A5判変形 128頁 2019/1刊  
現在世界を解析するとき、その複雑世界は、もはやフロイトやマルクスの3段階構造ではなされえない。 ラカンのスキームは、実に心的構造だけではなく、複雑化した社会世界の構 造の解析にも有効な「本質」世界を示している。 ラカン的思考は、相対的関係の遡及的思考を要するゆえ、欲望主体や社会主体からの主語的論理からはひたすら難解になってしまう だけで、述語的論理から見ていくと現在世界の「語 らい」の転倒は容易に了解できる。
▼シュティイン・ファンホイレ「資本主義の語らい、主体性、そしてラカンの精神分析」
▼新宮一成「聖人=症候(サントム)は享楽する--資本主義の語らいに拠るのとは別の仕方で」
▼山本哲士「ではない」ことの存在:ラカン理論のsinthomeへ(2)」
▼小林芳樹「ラカン的精神病」
▼浅利誠「副詞論を通して垣間みられる日本語文法のゆくえ--発掘すべき世界遺産考序説」
▼山本哲士「ラカン理論の社会科学的な構成転移」
▼カラー特集「西アフリカの手仕事--ガーナ・クマシ周辺の布文化と沿岸部のアート棺桶」
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LIBRARY IICHIKO 140  AUTUMN 2018
 『ラカンの剰余享楽/サントーム』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-39-2 C1010 A5判変形 128頁 2018/10刊  
ラカンの思考は、ランガージュの心的本質を捉えたものとして、現代資本主義世界の本源を根源から 考察し得る可能閾を明らかに開いている。日本のラカン了解水準は、世界的に比しても高いのは、ラカンが突き当たった壁は西欧 ランガージュの主語制の限界で、その先には述語制が開かれることであるのだが、日本には述語制ランガージュの本質があるゆえで あると思われる。日本語の述語的言語世界とラカンとを対象化することが、新たな思考閾を開いていくのは間違いない。そこには、 西欧規準とは異なる普遍閾が潜んでいるはずだ。
▼新宮一成「剰余享楽のある風景 ヘーゲル、ラカン、マルクス」
▼上尾真道「サントームについて ラカンとジョイスの出会いは何をもたらしたか」
▼河野一紀「ボロメオ的身体と他者たちとの紐帯」
▼山本哲士「ではない」ことの存在:ラカン理論のsinthomeへ(1)」
▼岡田彩希子「生きることの空白と目覚め ラカンの対象a 概念と産出物としてのその運命」
▼古橋忠晃「ラカンの観点から見た、現代社会の病理の一つである「ひきこもり」について」
▼カラー特集「有松・鳴海絞りの文化技術」
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LIBRARY IICHIKO 139  SUMMER 2018
 『矢野雅文の述語的科学論』
 ―サイエンスのパラダイムシフト―
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-38-5 C1010 A5判変形 128頁 2018/7刊  
科学が科学として存立して、科学技術・技術科学が、生活環境の基盤を形成しています。 この科学は、近代世界において<主客分離>の客観的客観主義の、しかも測定可能な世界のみを対象化した因果性の論理でしか ありません。環境総体へ関与しえている科学技術ではなく、極めて限定され細分化された科学資本でしかない。 こうした近代客観科学に対して、《矢野科学論》は、非分離の述語制科学のパラダイムシフトを開示して、予測しえない変化をする 無限定な生命システム、つまり、<わたし>の生命的生活環境を調和的に生成/充足する自己制御の情報を自らが作り出す場所の 科学技術論です。 科学界の科学原理・概念の転換は、述語制言語=日本語の論理と交通していきます。本誌が探求してきた、場所、非分離、述語制の 日本文化資本へ対応し、その地盤となる科学技術論です。文化なくして科学も技術もありえない、それはまた文化なくして経済も 政治もありえない、そこに対応する述語科学理論の開示です。
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LIBRARY IICHIKO 138  SPRING 2018
 『ピレネー犬の動物文化学 2』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-34-7 C1010 A5判変形 128頁 2018/4刊  
今回は、ピレネー犬に関わる〈人たち〉の方へ焦点をおいた。(1)(2)合わせてのドキュメント 写真である。イヌとヒトとの共存が、現生人類の生存にとって関係本質であることが検証されている事々が示唆されてきた。 ピレネー犬のルーツを<探る>という手法は個人趣味ではなく、ネアンデルタール人の絶滅の類的問題にまで至ることになった。 一体、なぜ現生人類=ホモ・サピエンスは、過酷な環境を生き延びて、かくも巨大な人為的世界を作り上げてきているのかだが、 その理性や知性の賢さは、動物や植物の賢さに優っているとは言い難いものがある。人類は原初で何を享受したのか、その原初をを 忘却して、どこで道を誤ってしまったのか。現生人類=ヒトはイヌと協働関係を結ぶことで、イヌとの共存を図れなかった ネアンデルタール人が絶滅しようとも、生き延びてきた、という見解はただの仮設とは思えない閾にあって、<述語制>の言語問題 は生命環境の本質問題にまで不可避に及ぶことになっている。自然哲学、近代哲学では解消しえない閾が、しかし、人類=ヒトの 智慧と情動として、実際に果たしてきたこととしてある。
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LIBRARY IICHIKO 137  WINTER 2018
 『ピレネー犬の動物文化学 1』
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-32-3 C1010 A5判変形 128頁 2018/1刊  
ピレネー山脈の中の、壮大なピレネー犬の実録取材の写真集である。人間と動物を対立させて 人間性を説く論法は、動物を野獣とみなし、その野獣性からの離脱に人間の出現をみなすしかたであるが、人間を動物に比して 等質のように説くしかたもある。家畜化された動物だけではない、野生の動物も、人の暮らしに役立ってきたのは、食や衣服 さらには住居までに使われてであった。共存、敵対、殺傷、攻撃など、その相互関係の長い歴史および現在が見直される次元に、 人類はきている。森から動物たちが都市へ迷い出て、農作物を荒らし、また危険だと追い回される現在だ。
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LIBRARY IICHIKO 136  AUTUMN 2017
 知の生産への飛躍
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-31-6 C1010 A5判変形 128頁 2017/10刊  
概念言表が新たに作られただけでは概念空間とはならない。概念と概念との関係が概念空間となり、 言表の織りなす言説がそこに編成されうるが、その言説生産が述語的になされるか主語的になされるかで、まったく違ったものになる。 本誌の31年間の文化生産の営みと蓄積の中で、世界第一線の研究者や日本の先達の偉大な所業を学びながら、やっとその地盤にまで 辿り着いた。哲学地盤であり文化地盤であり歴史<現実>の地盤である。しかし、その地盤は、近代形成の過程で活用されながら、 反転され、同時に徐々に忘却され、記憶喪失の中で消し去られようとさえしている。西欧において数百年、日本において百数十年の 主語制様式、(客体への分離綜合)への浮上はもはや機能停止状態の徴候にあるが、その下の地盤の普遍的な述語制様式は残滓して いる。それは、日本列島の地形形成の物質的構造化と環境生態化を記憶化した、有機的生命文化遺伝子として、場所ごとに残存し、 ナショナル特化されるものではなく、新たな普遍性への指針となりうるものだ。そこの概念空間へ、実際的な言説生産を編成し、 対象・概念・技術・理論・主題を構成して、具体実際を暮らしに生かせるものにしていけるための、新たな<知>の飛翔がなされなければならない。
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LIBRARY IICHIKO 135  SUMMER 2017
 知のアルシーヴ2 31周年記念号
 ARCHIVES OF SAVOR ANIVERSARY ISSUE OF 31YEARS
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-26-2 C1010 A5判変形 128頁 2017/7刊  
「知のアルシーヴ」の日本版である。白川静、坪井洋文、谷川健一という大学者たちをとり あげている。加えて、藤井貞和、吉本隆明の両氏を入れたかったのだが、紙面が足らず断念した。一九八六年の本誌の発刊 から、数年間は、本誌が基軸・基盤にしていく指標となるものを探し当てていた。プラチック=実際行為の場所存在、自分の 思考を規定している言語 プラチック、その洋の東西から、理論概念指標となる研究の質を先達からいかにひきつぐかを、 模索していた。基本は、ナショナルな統合の一元制に日本はないこと、多様な場所文化の多元存在が文化資本となって、 国家資本へ構成されたり排斥されたりしている、そこを見定めていくには、規準軸をしっかりと持たねばならない。 ただの雑誌編集ではない、世界を知的に歩くということも含めての探究であり、日本から世界を観る、世界から日本を観る ことの相互変容から、言説生産への多角的な方々の登場がなされていくことになった。知のフィールド 研究である。 三〇年とは、まだ壮年期である。こちらはもう老人の閾へと入ってはいるが、本誌の成熟期へ向けて、文化のさらなる根元へ と突き進む。それは「歴史を作っていく」段階への歩み になろう。
▼白川静「漢字の思考」▼坪井洋文「ハレとケの民俗学」▼谷川健一「青の地名をたずねて」
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LIBRARY IICHIKO 134  SPRING 2017
 知のアルシーヴ1 31周年記念号
 ARCHIVES OF SAVOR ANIVERSARY ISSUE OF 31YEARS
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-21-7 C1010 A5判変形 128頁 2017/4刊  
本誌は、物事の本質をさぐりながら世界の最先端の論者たちをふまえた新たな言説生産の 水準を、彼らの直接参加と協働のもとで開いてきた。そして、カラー頁では主に「日本の文化技術」の実際を探りながら 「日本の論理・哲学技術」を探りあってきた。大きくは「資本と場所」の世界、「ホスピタリティ」環境の述語的可能閾を 開いてきた。30年という月日は、あきらかになんらかの文化蓄積がなされているといえよう。「知のアルシーヴ」として とくに初期のものを選択して供する。それらは古くないどころかいまだにその指針となりえている。
▼詩と哲学と愛 オクタビオ・パス ▼『迷路の中の将軍を語る』 ガブリエル・ガルシア=マルケス ▼ナウアの身体宇宙論 アルフレッド・ロペス・アウスティン ▼プラチック・歴史・時間をめぐる対話 ピエール・ブルデュー ▼文化史の再定義 ロジェ・シャルチェ ▼ウィトゲンシュタイン、近代性と近代主義 ジャック・ブーヴレス ▼知のアルシーヴを開く 山本哲士
 
表紙画像 文化科学高等研究院出版局 書籍リスト FAX注文書(PDF)
LIBRARY IICHIKO 133  WINTER 2017
 和時計の文化技術
 CULTURAL TECHNOLOGY OF JAPANESE CLOCK
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-18-7 C1010 A5判変形 128頁 2017/1刊  
今、時計といえばスイスが有名であり、日本はそれを模倣して作ったというイメージ を持つ方も多いですが、過去を振り返ると日本にもスイスと同じくらい古い、独自の時計作りの歴史があったことが わかります。 ヨーロッパでは自分たちの生活を時計が示す定時法に合わせ、「神の時間」から「商人の時間」へ移行 していきましたが、日本では時計を自分たちの生活に合わせようとしました。つまり機械を自然、環境に合わせよう としたのです。そこで生まれたのが不定時法を表示する和時計です。これは他の国にはない独特なことで、そのよう な進化を遂げた時計は日本にしかありません。 和時計のことを調べていくにつれ、魅了されたと同時に新たな価値観 を得ました。そして、この素晴らしい文化をより多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。 今回は 和時計を研究されている岡田和夫氏、佐々木勝浩氏にも貴重なお話をうかがっています。この本を通じ、和時計の 奥深さを感じていただけたらと思います。 ーーー独立時計師 菊野昌宏
 
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LIBRARY IICHIKO 132  AUTUMN 2016
 ガブリエル・サイードの世界
 − 共生と架橋の詩学ー
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-16-3 C1010 A5判変形 128頁 2016/10刊  
近頃、かなりはっきりと、経済や政治などより、言語や文化のほうがはるかに普遍的な本質である ことを実感する。文化の資本を、真に蓄積していく段階に入っている。その象徴的資源を集約していく水準をつくっていかないと、 政治は道をはずし経済も衰退する。それは、主語制様式の述語制様式への文化転移からしかはじまらない。 サイードの詩に人格主語はまったくない、スペイン語もまた述語様式を保持しえている言語系にある。
 
表紙画像 文化科学高等研究院出版局 書籍リスト FAX注文書(PDF)
LIBRARY IICHIKO 131  SUMMER 2016
 映画生産の文化学
 CULTURAL PRODUCTION OF CINEMA
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-15-6 C1010 A5判変形 128頁 2016/8刊  
 映画は、感覚的運動や時間運動の解析で尽くされるものではない。 映像と言語と音がおりなす総体には、表示されていながら、語られていない意味作用・意味するものがあって、 意味されたもの(シニフィエ)になりえないシニフィアンスの存在がある。その本質相が、映画を、いかに商業的・経済的に 成立が困難になろうとも、またゲームやウェッブが発達しようとも、なくなりはしない文化愉楽をわたしたちに供しつづけている。 このトータル芸術は、あらゆる可能性を表出している。
 
表紙画像 文化科学高等研究院出版局 書籍リスト FAX注文書(PDF)
LIBRARY IICHIKO 130  SPRING 2016
 日本語言語理論の革新へ ―藤井貞和をうけて
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-14-9 C1010 A5判変形 128頁 2016/4 刊  
 藤井貞和氏の『文法的詩学』『文法的詩学その動態』に関するインタビュー を本誌127号にて果たしたが、氏の書は日本語を根柢から見直して、混迷する日本語を導いていく新たな確たる 指針になっている。藤井文法詩学をうけて、日本語の言語理論に対する革新がなされえていく、その踏み出し がはじまったのだ。膠着した文法にたいして、コトバの規則性とその表出様態は「詩学」と銘されたように、 言語表現総体への見直しとなっていくもので、品詞分類された単文の正当化の膠着性におとしめていくこと ではない。学校文法の過ちは、国語関係者たちはほとんど知っていることであるにしても、言語を文法化する 限界の問題があるのであって、日本語それ自体を対象化して理論化していく言説はまだ未踏の閾にある。 記紀・万葉表記から、手爾波から語法、そして五十音表と漢字仮名まじり文となった日本語一三〇〇年を、 言語理論として形成していくことは、一般文法の表象体系と近代文法の主語制言語様態とを離脱して、 述語制言語様態の理論と実際をあきらかにしていくことであるのだが、藤井文法詩学を指針にして、契沖、 賀茂真淵、富士谷成章・御杖、本居宣長、鈴木朖、柴田常昭、そして春庭、さらに義門らの言語言説をもう いちど探り直し、さらに近代文法における山田孝雄、松下大三郎、佐久間鼎、三上章らをクリティカルに 捉え直し、橋本進吉・時枝誠記らの転倒的限界を超えていくことにある。
 
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LIBRARY IICHIKO 129  WINTER 2016
 述語制日本への探求
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-02-6 C1010 A5判変形 127頁 2016/2刊  
 本誌は、〈場所〉を追究していくなかで、「述語制」という閾が、 主体・客体の分離世界とはちがって、非分離文化の根源として作用していることを発見した。それを 〈日本なるもの〉のナショナルな編制をこえて、世界本質的に典型的に表現・具現しえていることを、 多様な局面でさぐりはじめている。〈制〉とは、幻想域と物質域とがかさなるところに、象徴的・想像的・ 現実的な編制がなされている(規範・規則になりえていない規定制)の閾を、語られている・表現されている が、考えられえていないものにおいて示されている制象閾のことだ。この世界の歴史段階は、「述語制」世界 と「主語制」世界との相反表出から成り立っているという大きな視座と、個々人の心身表出の分岐とを同時に 観ていくことをもって、再把捉されていくであろう。 2016年は、本誌発刊30周年、30年かけて、知の地盤変えとなる言説閾の文化基盤へ画定的に辿り着いてきた。 〈資本〉〈場所〉〈ホスピタリティ〉〈述語制〉〈非分離〉などの言説・技術閾にさらに、諸概念空間が 創造発掘されていくであろう。
 
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LIBRARY IICHIKO 128  AUTUMN 2015
 述語制の日本語と日本文化
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-99-6 C1010 A5判変形 128頁 2015/10刊  
「述語制」の論理、文化世界は、言語学をふまえながら、しかし言語学を断ち切っていく閾へ開かれねばならない。 主語などない日本語の論理は、述語制の閾においてしか開かれないのだが、それは同時に言語学を断ち切ることなしにはなされない。 この難しさに、これまで人々は立ち向かってこなかった。だが皮肉にも、主語や助詞や助動詞などをたてる言語学者による研鑽を ふまえていかないと、また主語制言語によっての西欧的哲学思考の研鑽をふまえていかないと、述語制言語の閾は開削されないのだ。 だが、日本の道具技術や絵画芸術は、結果として述語表出をなしえているゆえ、美を固有に創造してきている。 日本の和時計は、夜明けと日暮れを規準に、時が分割される。したがって、冬の一刻と夏の一刻とは、物理的時間の長さがちがうが、 生活時間にあっている。不定時法である。 菊野昌宏氏は、和時計を腕時計としてすべて手作りでつくりあげた、スイスの独立時計師協会会員である。 その手仕事の世界は、驚異的である。場所環境にあった非分離の成熟技術は、述語技術からなされうる。 おびただし述語制の文化が、 日本だ。客観でも主観でもない次元が、あちこちに開かれつくられていた。日本を日本それ自体として了解していくために、 本誌での述語制の探究ははてしなくつづけられていく。
 
表紙画像 文化科学高等研究院出版局 書籍リスト FAX注文書(PDF)
LIBRARY IICHIKO 127  SUMMER 2015
 述語制言語の日本文化
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-53-8 C1010 A5判変形 128頁 2015/7刊  
日本語に主語が無いという一部西欧規準からの判定ではなく、 英仏独などの西欧語には主語があるが、「日本語は述語言語である」という考え方=概念空間をしっ かりもたないと、 日本語だけではなく日本文化の理解にいつまでもたどりつかない。 しかも、主客分離は、西欧でさえ近代現象であって、ものごとの本質は、主客非分離の述語制にある。 この普遍本質の明示に日本語・日本文化は、世界寄与しうる ということだ。本誌でかつて特集した「金谷武洋の日本語論」は、 三上章、佐久間鼎、そして松下大三郎の日本語論を読み解いていくうえでの規準であるが、そこにこの 春、藤井貞和氏による 『文法的詩学その動態』(笠間書院)が刊行され、「助動辞」「助辞」の古典をふまえた文法体系が提示されたゆえ、 さっそくお話を伺うことにした。そ して日本語には、どうしても漢字がはいる、その漢字のあり方の意味を、斉藤希史氏からうかがうことができた。 漢字研究の到達地平が明示された『漢字世界の地平: 私たちにとって文字とは何か』(新潮選書)を主に語っていただいた。 この三氏から、「日本語」を見直していくと、わたしたちは日本人として日本語をどう考えていっ たならいいかの正確な方向性が定まりうる。 ようやく日本語とはいかなる言語であるのかへの探究が、まっとうにはじまってきたといえる。 実は、それほど遅れてい るのだが、西欧言語論への不正確な認識と日本語への恣意的すぎる探究がなされてきただけの次元が、 言語哲学の不在からうみだされていたのだ。日本哲学者たちは、 日本語言語へのあまりの粗末な無理解さから、 日本を考えていたにすぎない。日本語をしっかり自覚して、その述語言語概念空間と主語制概念空間とを識別して、 双 方を対象化しうる位置にたつことだ。倫理や責任は、さらに科学や技術や経済も環境も、そこからしか行使されない。 日本語は、実に高度な言語体系である、論理性 があいまいな言語などではない、非常に論理的な言語である。
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LIBRARY IICHIKO 126  SPRING 2015
 現代都市の社会学
河北秀也 監修
山本哲士 編集
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-93-4 C1010 A5判変形 128ページ 2015/4刊  
今回の特集企画は、〈東京〉という名の都市の現状について、具体的かつ多角的に議論してみたいという問題意識に端を発しています。 21世紀に入り「都市再生」 の掛け声とともに、東京都の人口は急速に増えていきました。日本の人口減少が問 題化されるなか、人々が〈東京〉へ吸い寄せられたわけです。 この動的な社会過程 で〈東京〉と呼ばれる都市は一体どんな現実を孕み、また、その現実は地方の現実 や国土全体の現実とどんな関係で結ばれているのか? ――そんな疑問がこの特集を 動機づけています。ある時期から、〈東京〉はひとつの総体として捉えることが難しく、むしろ種々の断片を通して寓喩的にしか語りえない何かであり続けています。 〈東京〉を切り 取る寓喩的な断片があれこれ恣意的に浮上しますが、総体としての〈東京〉はいよ いよ知りがたく経験しがたいものとなっています。 20世紀末以降のアニメ・漫画・ 小説などに〈東京〉はどれほど廃墟の形象を投影したことでしょう。 それらの物語 言説は〈東京〉の死を物理的にイメージしましたが、このイメージの下地には〈東京〉 の捉え難さが観念として横たわっていたのかもしれません。 今日、〈東京〉への集中・集積といった趨勢はどうも新たな次元に到達しはじめており、それは〈東京〉の位置や意味や機能の変化と同時に、 〈東京〉が抱える矛 盾や空洞の特異な状況を示唆しているように思います。今回の特集が、これらの問 題を深く考える糸口になればまさに幸いです。 (特集企画:内田隆三)
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LIBRARY IICHIKO 125  WINTER 2015
 「いま」何を考えるべきか
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-92-7 C1010 A5判変形 128ページ 2015/1刊  
「いま」考えるべきこと、として見解をいろいろと述べてもらいました。 現代の大転換が指摘されながらも、旧態依然のものごとがはばをきかせて進み続け、一般には表層の見解・意見が述べられているにすぎません。 地盤から物事が変化しているのが感じられながら、しかし、何が起きているのかを語りうる思考がまだまだ人々に領有されていないからです。 当事者たちが、自分のことがわからなくなっているようにさえ見えます。政治、経済、教育、社会において、何がたいせつなことであるのか、その規準が本質から問われています。 言説が変わらないと、現実も変わりえないのは、思考・言語が、現実を作っているからです。 そして、可能条件が技術的にも多々創出されているのに、その使い方がずれてしまうのは、既存コードのままで使い方をかんちがいしているためです。 それが、商品生産と情報生産のはざまで、種々おきています。「いま」は、歴史的なものが蓄積されている〈いま〉であり、いかなるビジョンをもつかに規制される〈いま〉でもあります。
 
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LIBRARY IICHIKO 124  AUTUMN 2014
 日本橋の場所文化学
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-91-0 C1010 A5判変形 128ページ 2014/10刊  
日本橋とは、いかなる場所か
目次、 0.はじめに 1.現在の東京の都市空間 2.江戸の基層から何が見えるのか 3.江戸を貫く中心軸と空間形成への織り 4.都市機能としての神田上水・玉川上水の役割 5.近世江戸における町人地の街区と町割りの変容 6.明治期における日本橋の河岸地構造の変容(明治初期と明治末期との比較) 7. 祭りにより、ハレの場を演出してきた日本橋の風景 8.おわりに:将来の日本橋の場所設計をイメージするために
 
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LIBRARY IICHIKO 123  SUMMER 2014
 オクタビオ・パス生誕100年 U
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-90-3 C1010 A5判変形 128ページ 2014/7刊  
アルベール・カミュの生誕百年が去年、今年がオクタビオ・パスの生誕100年。つまり、1910年代に生まれた知識人=作家の界閾が、そこに典型にみられる。 それ以前が、コジェーヴ、サルトル、メルロ=ポンティやレヴィ=ストロース、ガダマーであり、日本では小林秀雄になる。 20年代になると、フーコー、イリイチ、ハーバマス、ルーマン、ゲバラ、日本では吉本隆明。 30年生まれが、デリダ、ブルデューとなっていく。世代ごとの転回がおきているようにみえるのも、思想・理論が、哲学・文学をふくめて、大きく変容していくからだ。 パスには、社会史に還元されえない文化史への眼がある、それがパスへの共感をうみだしている。 パスという、文化的なかつ詩的な存在が透視している世界に、さわやかなもの、西欧的世界に閉じていない、疎外された実存の閉鎖性ではないある開かれたものがそこに感じとられる。
 
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LIBRARY IICHIKO 122  SPRING 2014
 オクタビオ・パス生誕100年
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-88-0 C1010 A5判変形 128ページ 2014/4刊  
オクタビオ・パスが生まれて百年、メキシコにおける存在がさらに大きくなるだけではない、世界でその存在はますます大きくなっていく。 文学、歴史、思想、哲学に通じ、しかも詩人であること。大きな思想であるからといって、イデオロギー表象するのではなく、個々人の存在へとどいてくるもの、ものごとの本質を射抜いているものだ。 アジア的ということの多彩な表出様態があるのだが、そのなかで、日本的位相とメキシコ的位相とが相互交通する、その閾にひとつの希望の道筋が、確実にあるのだ。パスは、そのはしわたしを本質的に深くなしている。 パスの詩が、東北の被災地の中で、静かに読まれた。それは『太陽の石』(文化科学高等研究院出版局)として、メキシコ政府、在日メキシコ大使館の協力のもとにうみだされた。本誌のパス特集は、その派生として編まれた。
 
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LIBRARY IICHIKO 121  WINTER 2014
 <もの>の哲学日本文化論
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-86-6 C1010 A5判変形 128ページ 2014/1刊  
「物かなしい」「物さびしい」と今でも言うが、それは「さびしい」「かなしい」とはちがう。〈もの〉は客観でも主観でもない、そこを感じとってそう言っている。 日本文化は、〈もの〉の文化である、視えない触知しえない〈もの〉までをもキャッチしえてきた文化に在る。それは客体的・実体的な「物」体の世界ではない、道具になった物体的なものでさえ〈もの〉の表出や作用をもちえている。これらを、わたしは〈物ぶり〉として、「身ぶり」と照応させながらくくっているのだが、〈もの〉が述語的に動きをもっているのだ。 〈もの〉が、「モノ」として物体的な「物」に転移されてしまっている前提に立つと、心の布置が「コト/事」にあるとされ、 言語も〈もの〉を表象しているのに、「事=言」と転倒されてしまう。〈もの〉を出現させること、〈もの〉をつかみ取っていくこと、その探究を本誌は始めていく、その理論基準を本号では示している。
 
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LIBRARY IICHIKO 120  AUTUMN 2013
 文化のことごと 存在の本質へむけて
河北秀也 監修 1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-85-9 C1010 A5判変形 128ページ 2013/10刊  
文化がいよいよ大きな意味と力をもつ時代へとなってきている。 大転換期が、本格的になってきたのだと思う。
マルクスは、人間は社会的諸関係の総体であるとしたが、わたしたちは人類・生命は、文化的諸関係の総体であると言い換える。 しばし、認識や理をこえるものの閾へと静かに沈潜していくことにしよう。近代西欧的な枠組みは、もうはずしえた。ひたすら、存在の本質へと歩んでいきたい。 それは、享楽の閾、感覚の愉しさの閾にある、古来からかわらぬものにある、水のやさしさと怖さにふれてあるもの、生死の境界のかなたにあるものだ。 小さな文化として生存にきざみこまれて有る、一輪の花の幻の彼方にある。子犬をだきしめる、そのぬくもりのなかにある、などなど。この「等々」を、たしかな手触りにおいてさぐっていくことだ。
 
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LIBRARY IICHIKO 119   SUMMER 2013
 ホスピタリティ哲学宣言
河北秀也 監修
山本哲士 編集、高橋順一 著
1,500円+税 思想
哲学
ISBN978-4-938710-83-5 C1010 A5判変形 128ページ 2013/7刊  
ホスピタリティ哲学からホスピタリティ社会理論へ。
ひととひと、ひとと自然が<自立>と<共生>を分かちあえる社会の実現へ向けて。

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季刊 LIBRARY IICHIKO
119 LIBRARY IICHIKO 119  SUMMER 2013
ホスピタリティ哲学宣言
978-4-938710-83-5 河北秀也 監修 1,500 2013/7
118品切れ LIBRARY IICHIKO 118  SPRING 2013
吉本隆明の文学論
978-4-938710-82-8 河北秀也 監修 1,500 2013/4
117 LIBRARY IICHIKO 117  WINTER 2013
着物の文化学 I
978-4-938710-81-1 河北秀也 監修 1,500 2013/1
116 LIBRARY IICHIKO 116  AUTUMN 2012
三島由紀夫の文化学
978-4-938710-77-4 河北秀也 監修 1,500 2012/10
115 LIBRARY IICHIKO 115  SUMMER 2012
奥州相馬の文化学
978-4-938710-76-7 河北秀也 監修 1,500 2012/7
114 LIBRARY IICHIKO 114  SPRING 2012
西欧的なものの限界 日本的なものの可能性
978-4-938710-75-0 河北秀也 監修 1,500 2012/4
113 LIBRARY IICHIKO 113  WINTER 2012
金谷武洋の日本語論
978-4-938710-72-9 河北秀也 監修 1,500 2012/1
112 IBRARY IICHIKO 112  AUTUMN 2011
剣術の文化学
978-4-938710-71-2 河北秀也 監修 1,500 2011/11
111 IBRARY IICHIKO 111  SUMMER 2011
武士制の文化学 PART III
978-4-938710-70-5 河北秀也 監修 1,500 2011/7
110 LIBRARY IICHIKO 110  SPRING 2011
武士制の文化学 PART II
978-4-938710-68-2 河北秀也 監修 1,500 2011/4
109 LIBRARY IICHIKO 109  WINTER 2011
武士制の文化学 PART I
978-4-938710-64-4 河北秀也 監修 1,500 2011/1
108 LIBRARY IICHIKO 108  AUTUMN 2010
太宰治101 PART II
978-4-938710-63-7 河北秀也 監修 1,500 2010/10
107 LIBRARY IICHIKO 107  SUMMER 2010
太宰治101
978-4-938710-59-0 河北秀也 監修 1,429 2010/7
106 LIBRARY IICHIKO 106  SPRING 2010
愛と正義の文化学
978-4-938710-58-3 河北秀也 監修 1,429 2010/4
105 LIBRARY IICHIKO 105  WINTER 2010
ラテンアメリカの文化学
978-4-938710-57-6 河北秀也 監修 1,429 2010/1
104 LIBRARY IICHIKO 104  AUTUMN 2009
ミハイル・ブルガーコフ PART II
978-4-938710-55-2 河北秀也 監修 1,429 2009/10
103 LIBRARY IICHIKO 103  SUMMER 2009
ミハイル・ブルガーコフ PART I
978-4-938710-53-8 河北秀也 監修 1,429 2009/7
102 LIBRARY IICHIKO 102  SPRING 2009
フィルム・ノワール
978-4-938710-51-4 河北秀也 監修 1,429 2009/4


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